「函館の産業遺産」第12号発刊…刃物かじの調査論文など掲載
update 2007/9/6 12:39
函館産業遺産研究会(富岡由夫会長)は、研究成果や収集物の記録をまとめた「函館の産業遺産」の第12号をこのほど発刊した。今号は同会が収集、ことし4月に旧恵山町立恵山小学校(函館市柏野町)に収蔵した工作機械の報告を中心に、明治から昭和にかけて活躍した函館の刃物かじについての調査論文などを掲載している。
工作機械は、昭和初期に函館市や近郊の鉄工所が製作した、金属などを削ったりする旋盤機など。同会が1997年から収集を始め、市内などから14点を譲り受け、うち12点を市立博物館に寄贈。約5bもの大型機械のため、現在は廃校となった同小に収蔵された。
これらの機械は北洋漁業が盛んだったころ、魚の缶詰を作る機械の部品を製造していたものが中心。同会が製造技術の伝承、函館の時代背景の教育に生かそうと収集、保存活動を展開してきた。今号では機械の仕様書や、活動の経緯を報告。富岡会長は「会として力を入れてきた事業の総まとめができた」と話す。
刃物かじは、富岡会長の調査論文を掲載。料理などに使う包丁など、薄い刃物を作った向井浅次郎を中心に展開している。函館では、造船などに使う大型の刃物を作るかじ人は多かったが、薄く、小型の刃物を作る人は少なかったという。函館には1970年代ごろまで約50軒近くものかじ工場があったが、現在は1軒のみという。かじ工場が製作していた刃物の分類や、かじ職人の家計も紹介している。
さらに、市交通局の広瀬弘司さんの調査論文「創設期の函館市電について」などを掲載している。B5判85ページ。250部を発行。会員、関係者に配られたほか、市中央図書館で閲覧可能。また、函館市駒場7の浪月堂書店でも取り扱う。問い合わせは同書店TEL0138・32・3479。
提供 - 函館新聞社
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