桧山支庁統廃合問題/どうなる最終案

update 2007/9/4 12:32

 【江差】道は支庁制度改革の在り方を示す「新しい支庁の姿」の成案を9月にも公表する方針だが、道議会や統廃合対象の支庁所在地からの反発などで、詰めの議論は難航している模様だ。桧山支庁廃止に反対する江差町は、議論のヤマ場になる9月の定例道議会に向けて他の支庁所在地との情報交換を密にしながら動向に注目している。

 高橋はるみ知事は、再選直後の第2回定例道議会で(1)9月に最終案を策定(2)2008年3月に支庁設置条例改正(3)09年4月の新支庁発足―という改革のスケジュールを明らかにした。一方、道議会自民党や廃止対象の支庁所在地の反発を受け、石狩、胆振、後志、空知の4支庁を1支庁に再編するとした道央圏には、複数の支庁を残す意向を表明。道の新長期計画に盛り込む6つの地域生活経済圏を軸とする、当初の再編案にこだわらない姿勢をみせた。

 だが、支庁再編後の所管区域が広大な道北(上川・宗谷・留萌)、道東(釧路・根室)では、道央圏に“例外”を認めたことで新たな反発が広がった。知事周辺でも「6支庁案が崩れたことで議論は行き詰まった。道北や道東に説明ができない。改革が頓挫する可能性もある」と厳しい声も。また、道議会自民党も中小支庁の廃止につながる改革に懸念を示しており、最終案をめぐる調整が難航。最終案の公表が9月から12月以降にずれ込めば、4月の統一選を挟んで1年以上も先送りされた改革のスケジュールが再び遅れることが予想され「知事の任期中に間に合わない可能性もある」(関係者)。

 また、道や道議会では6支庁への再編とともに、桧山支庁など8支庁を窓口業務のみを行う「地域行政センター(仮称)」に格下げするとした、「新しい支庁の姿(骨格案)」(2006年6月公表)にこだわらず、市町村合併や権限委譲などを考慮して、他の都府県の機構も参考にした、現行の支庁制度に替わる出先機関の在り方を模索する動きもあるという。

 江差町は廃止対象の支庁所在地や道議会を通じて情報収集を継続。「9月の道議会に注目している。反対が強まる中で最終案を公表できるかどうかが焦点だ。道の対応次第では存続運動の拡大・強化を検討する」(総務政策課)と話している。

提供 - 函館新聞社



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