ドッククレーン撤去問題/プロポーザル再実施なら、請負能力把握が前提

update 2007/8/29 11:07

 函館市土地開発公社(工藤寿樹理事長)が所有する旧函館ドック跡地の大型クレーン2基の撤去問題で、解体時期の見通しが不透明になっている。このほど開かれた同公社の理事会では「プロポーザル(公募)を再実施するのが望ましい」との意見で一致。安全撤去を前提に、工事の完遂能力を有する業者であることを、事前に把握する必要があるとした。1年以上交渉を進めてきた候補業者の撤退を受け、同じ轍(てつ)は踏めない状態で、対応も慎重だ。

 クレーンを同公社や市が自前で撤去する場合、最低4億5000万円が必要で、厳しい財政状況を考えれば、工面するのは難しいのが現状。維持補修するにも、応急措置だけで5億3000万円かかるため、市に保存の考えはない。

 同公社は昨年、解体撤去に向けてプロポーザルを実施。売却候補業者して本州の造船関連会社と1年以上にわたり、交渉を進めてきた。この間、同社は、工事方法を海上解体や陸上解体などと二転三転させ、工事計画書の提出が遅れるなどし、当初の解体スケジュールに大幅に影響を与え続けてきた。

 ことし6月までには事前準備に着手する予定だったが、7月に入り、海上からつり上げるためのクレーン船の手配ができず、着工が困難になったとして同公社に辞退を通知した。

 今月中旬に開かれた公社の理事会では、安全撤去を前提に、プロポーザル再実施による業者選定が最良の方法とした。しかし、工事請負辞退を受けて、海上解体方式で撤去する場合に必要なクレーン船の手配や、解体計画を実施する能力がある業者であるかを、プロポーザル実施前に確認する必要があるとした。

 同公社によると、クレーン船は、しけに弱いため、所有するサルベージ会社は秋から冬にかけて荒れる海域での作業を敬遠するという。仮に、来年夏場にクレーン船を使用して工事をするとした場合、計画立案や函館どつくなどとの調整にかかる時間を考えると、プロポーザルを年内に実施する必要も出てくる。

 同公社は「売却してほしいと打診してきた業者は何社かあるが、安全、確実に解体が可能かどうかを調査しなければ、プロポーザルの再実施もできない」とする。耐震性への危険性を把握しながら、クレーン倒壊となれば、責任問題に発展する。市が撤去の方針を固めて1年半以上。早急な対応が求められている。

提供 - 函館新聞社



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