高3集団暴行死・2時間以上殴るける

update 2007/8/29 11:06

 函館市内の昭和公園などで26日、同市富岡町2、函大付属有斗高3年佐藤智也君(18)が集団暴行されて死亡した事件で、傷害致死容疑で逮捕された同市内に住む15―18歳の少年7人による暴行は市内2カ所の公園で計2時間以上にわたり、7人のほかにも少年、少女ら数人が傍観していたことが、28日までに函館西署の調べで明らかになった。同署は少年らの“遊び”がいじめにエスカレートした可能性もあるとみて、動機の解明などを進めている。

 調べによると、7人は26日午後7時半ごろ、同市富岡町1の富岡中央公園で、佐藤君にサッカーのゴールキーパー役をさせ、次々にボールをけり込んだ。さらに「タイマン(一対一のけんか)をやろう」と、一部の少年が金属バットなどで暴行。佐藤君が「助けて、やめてくれ」と声を上げたため、少年らは近隣住民に「ばれる」と思い、西に約2キロ離れ、人けの少ない同市昭和町20の昭和公園に自転車で移動した。

 7人の暴行は昭和公園でも同8時半ごろから約1時間半続き、佐藤君を代わる代わる素手で殴ったり、飛びげりで同公園内の人工池に落としたり、足で踏み付けたりして死亡させた疑い。7人は佐藤君があおむけに倒れ、動かなくなったため、落ちていた菓子袋に入れた水を佐藤君にかけ、そのまま同公園を立ち去った。その際、現場には7人を含めて十数人の少女や中学生らもいたが、誰も止めに入らなかったという。

 同署は28日午前から、犯行現場の一つとなった昭和公園の現場検証を実施。遺体を札幌で司法解剖して詳しい死因を調べるとともに、少年らの交友関係を洗い出し、過去のいじめの有無や犯行に至る経緯を追及している。

 佐藤君が通っていた函大付属有斗高校(鈴木健校長、688人)では28日朝、全校集会を開き、全員で黙とうをささげた。鈴木校長は「命の尊さや生きることの大切さを、佐藤君の死を通じて学んでほしい」と述べた。集会後には、一部の生徒がパニックや体の異変を訴えたため、担任らがカウンセリングを行うなど対応した。逮捕された少年の中に、同校の生徒はいない。

 同校はこの日の授業を取りやめ、午前中に生徒を帰宅させた。また9月1、2両日に予定されていた学校祭を中止することも決めた。同級生の男子生徒(18)は「友だちが死んで本当にショックを受けている。それしかありません」とうつむきながら話した。

提供 - 函館新聞社



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