新井満さん軽妙に、啄木の魅力語る…来函100周年記念トークショー
update 2007/8/27 10:58
石川啄木の来函100周年を記念したトークショー「風になった啄木」(函館市文化・スポーツ振興財団主催)が26日、市民会館大ホールで開かれた。芥川賞作家の新井満さんを特別ゲストに迎え、石川啄木記念館(岩手県盛岡市)の学芸員山本玲子さん、日本近代文学会会員の桜井健治さんと3人で、啄木への思いを語った。新井さんは、軽快なトークや啄木の短歌に曲を付けた歌を披露し、訪れた700人の市民を楽しませた。
新井さんは、著名人の墓参りが好きで、これまでに、ドストエフスキーや坂本龍馬など数多くの著名人の墓地を訪問。その一番最初が、啄木の墓だったという。著書で墓前で、啄木と会話を交わしたというエッセーを残している。新井さんは「啄木は甲高い声で早口だった」と話すと、山本さんは「実際に甲高い声だったそうですよ」と述べた。
また、自身が訳詞、作曲を手がけた「千の風になって」に触れ、「『墓の前で泣くな、わたしはそこにいない』と言っているので墓参りとは縁遠いと思われている」と話し、笑いを誘った。 啄木の「かの時に言ひそびれたる 大切の言葉は今も 胸にのこれど」や「君に似し姿を街に見る時の こころ躍りを あはれと思へ」などの恋歌に触れ、「100年も前にこんな分かりやすい恋歌を作っていた」と大絶賛。
CDとして発売した「ふるさとの山に向かひて」に込めた思いを新井さんは「啄木はいつかふるさとに帰りたいと思っていたはず。音楽の翼で帰りたい夢を実現させたかった」と述べた。最後は、函館深堀中合唱部生徒と会場を交えて「ふるさとの山に向かひて」を歌い、大きな拍手に包まれていた。
提供 - 函館新聞社
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