自転車の盗難急増

update 2007/8/26 11:22

 函館中央署管内で今年に入り、自転車の盗難が急増している。1月から7月までに届け出のあった被害件数は587件で、前年同期に比べほぼ倍の286件増。施錠が1カ所の場合や雑然とした場所に“違法駐輪”されたケースが盗まれやすいという。同署はホームページ(HP)で発生場所などを公開するとともに「駐輪場に止めた上で、2つ以上鍵を掛ける『二重ロック』を」と注意を呼びかけている。

 同署生活安全課によると、函館(西部地区などを除く)、北斗、七飯の2市1町での自転車盗の発生件数は、1―3月で前年同期比67件増の94件を記録。利用者の少ない冬季は例年、減少傾向にあるが、今年は暖冬の影響で積雪が少なく、年初から利用者が多かったことに伴い、盗難被害も急増したとみられる。

 交番別では、本町交番管内が同86件増の121件で最も多く、赤川交番管内が同42件増の78件、東山交番管内が同39件増の61件と続く。人が集まる大型商業施設や駅前周辺が大半で、「雑然と並べられた場所では周囲の関心も低く、犯人にとって心理的に盗みやすい」(同課)という。

 盗まれた自転車の施錠率は前年同期が69%だったのに対し、今期は77%まで上昇。施錠はほとんどが1カ所だったが、「量販店などで手に入る工具を使って簡単に解錠する“技術”が若者の間で横行しているのも事実」と同課。後輪上部などに取り付ける「馬てい型錠」は特に注意が必要と話す。

 自転車の窃盗容疑の検挙件数は7月末現在18件。被害現場とは別の場所に乗り捨てられた自転車を盗む占有離脱物横領容疑での検挙が76件と多い。動機は転売目的ではなく、多くが「足代わりにしようと思った」「歩くのが面倒だった」など罪の意識は乏しい。「自分の自転車も盗まれたから盗んだ」と供述する検挙者も目立つという。

 同署はHP(http://www.h―chuo―syo.police.pref.hokkaido.jp/)で管内の自転車盗の多発場所などを公開。対策として(1)防犯登録をする(2)ワイヤ錠を併用するなど2個以上鍵をつける(3)路上ではなく、駐輪場に止める―などを挙げ、今後もパトロールや啓発活動を推進していく方針。

提供 - 函館新聞社



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