函館市「知恵の予算」活用始まる
update 2007/8/24 14:09
函館の市立学校長の裁量で特色ある教育を進める「知恵の予算」の活用が始まった。23日には函館桐花中学校(生徒365人)が、市内出身で筑波大附属視覚特別支援学校高等部音楽家2年、池田サラジェーンさんのミニコンサートを開催。今後、芸術や体験などの分野で各校独自に知恵を絞った事業が展開される。
西尾正範市長が掲げる目玉事業の一つで、学校規模に応じて100、80、60万円を配分。総額は5600万円に上る。
事業決定に当たり各校は、職員会議で検討を重ねたり、保護者や地域住民の意見を集めたりした。函館桐花中の場合、7月に意見を募集。PTAとの会合などで、さまざまな要望が寄せられた。これを受けて職員会議を開き、「一人一人の心を豊かにする環境づくり」をテーマに決めた。
具体的には、芸術や文化にふれる行事として、コンサートや講演会を企画。例年、市芸術ホールを会場に行う文化祭の会場費用としても利用する。大川冨美男校長は「勉強以外に、思いやりの心や協調性、豊かな心を育てることも大切」と、こうした学習機会の意義を説く。知恵の予算については「出演料が発生するためにこれまで不可能だった人や講師も呼べるようになった」と歓迎する。
関心が高まる英語活動に力を入れる学校も。函館上湯川小学校(外館守校長、児童188人)は、これまで高学年だけで行ってきた外部講師を招いた英語活動を全学年に広げる。このほか、学年単位の体験学習や、防犯ベストの購入なども予定。外館校長は「保護者から問い合わせがあるなど、学校への関心は確実に高まっている」という。
地域住民との接点も拡大しそうだ。函館金堀小学校(藤川隆校長、児童269人)は、校舎周辺に各児童が置くプランターの整備を充実させ、児童玄関を活用した「花いっぱいコンサート」を計画。10月下旬の予定で、地域住民を招待するという。
函館尾札部中学校(青木昌史校長、生徒124人)は、修学旅行を活用して地域をPRする。28日に仙台市内の商店街で南茅部地区の自然や歴史、文化を紹介し、名産品のコンブの試食を行う予定。函館の知名度アップにも一役買いそうだ。
提供 - 函館新聞社
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