「蘇る北の縄文ロード展」閉幕、1万人の大台に
update 2007/8/20 12:13
市立函館博物館(長谷部一弘館長、青柳町17)で国宝「中空土偶」などを公開した特別企画展「蘇る北の縄文ロード展―発掘された縄文の世界―」が19日、閉幕した。45日間の期間中、来場者は、これまでの特別企画展の最高を大幅に上回る1万804人と、1万人の大台に達した。
同企画展は南茅部地区の著保内野遺跡から出土した中空土偶が道内初の国宝に指定されたことを記念して開催。開幕日の7月1日には、高橋はるみ知事や中空土偶の発見者、小板アエさんらが出席し、開会セレモニーが開かれた。
期間中の平均来場者は240人と、ほとんどの開館日で3けた台の来場を記録した。最終日の19日は期間中最高の808人が来場し、1万人を越えた。市内の家族連れや考古学ファンだけでなく、道内各地や道外からの観光客が比較的多かったのが今回の特徴で、国宝効果が表れた結果となった。
長谷川館長は「記録と記憶に残る特別企画展で、1万人の方が来てくれたことは大変うれしい。今後も皆さんに喜ばれる企画展を開いていきたい」と話した。また、18日に開かれた中空土偶「国宝指定記念フォーラム」で講演した、文化庁文化財部美術学芸課の主任文化調査官、土肥孝さんは「国宝効果もあるだろうが、30万都市の博物館で1万人を越える来場はすごいこと。今後、地元のさらなる盛り上がりを期待しています」と話した。
同企画展は、中空土偶のほか、北海道と青森、岩手などの北東北に形成された縄文文化を紹介。土器や刀形石器、装飾品など国や自治体の重要文化財に指定された埋蔵文化財を中心に約1000点を展示した。
○…特別企画展「蘇る北の縄文ロード展―発掘された縄文の世界」は19日、1万人の来場を達成した。記念すべき1万人目の来場者となったのは市内神山町の佐々木昭雄さん(66)で、同博物館から記念品が贈られた。
佐々木さんは妻の多恵子さん(62)とともに午前9時半ごろ来館。職員から1万人目の来場者であることを告げられると「本当に」と驚いた。その場で記念品贈呈式が開かれ、多賀谷智教育長から中空土偶の写真パネルなど記念品が手渡された。
佐々木さんは「前々から中空土偶を見たいと思っていた。最終日は混雑すると思って早めの時間に来たが、まさか自分が1万人目になるとは思っていなかった。夢のようです」と話していた。
提供 - 函館新聞社
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