「マツカワ」25万匹を放流…森や八雲など7漁港

update 2007/8/18 12:09

 「幻の魚」とされるカレイの高級種「マツカワ」の大規模な放流事業が、ことしも函館市南茅部地域から日高管内えりも町までの太平洋で実施される。渡島管内では20日から順次、森や八雲など7漁港で昨年と同じ計25万匹を放流。2009年には昨年放流分の初の漁獲が見込まれる一方、成長途中の魚が採捕される懸念も。関係者は「繁殖できない全長35センチ未満のマツカワを釣り上げたら、海中に戻してほしい」と呼び掛けている。

 マツカワはヒラメ・カレイ類の中でも歯応えがよく、刺し身や煮付けなどで賞味される。かつては北海道全体で年数十トンの漁獲があったが、現在では10トンに満たず、渡島管内では「1トン足らず」(渡島支庁水産課)。一部の料理店に出回るだけの「幻の魚」となっている。

 高級魚を復活させ沿岸漁業活性化を狙うのが、函館市からえりも町までの自治体と漁協でつくる、えりも以西栽培漁業振興推進協議会(会長・菊谷秀吉伊達市長)。ブランド名を「王鰈(おうちょう)」と定めるなどしてPRを進めている。

 大がかりな放流事業は06年度からスタート。同年完成した道栽培漁業伊達センター(伊達市)、同えりもセンター(えりも町)で育成された稚魚を年間100万匹放流している。マツカワは成長が早いのが特徴で、3、4月に採卵した稚魚は7月には放流可能な8aほどに育ち、各漁港から放流される。

 ことしも8月から9月上旬まで、渡島・胆振・日高管内で65万匹を放流。「年内に計100万匹の放流を完了する」(同協議会)。渡島管内では20日に森の尾白内沖と新川沖の計4万匹を皮切りに、9月7日の鹿部本別漁港の2万5000匹まで行われる。

 マツカワは浅瀬に寄りやすく、釣り人に捕獲されることが少なくない。放流地域の各海区漁業調整委員会は、全長35a未満はリリースするよう指示しているが、採捕を繰り返すなどして知事命令違反とならない限り罰則はないのが現状だ。


 渡島支庁水産課は「漁業資源保護のためにも、小さなマツカワを釣り上げたらすぐ海に戻して。標識がついている場合は、標識だけを取って魚を海に放ち、体長や採捕日時、場所などを最寄りの漁協に知らせてほしい」と呼び掛けている。

提供 - 函館新聞社



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