加藤組土建・中国の会社と新会社

update 2007/8/17 09:51

 建設土木業の加藤組土建(加藤健太郎社長)は16日、中国・天津の持ち株会社「中国天津市炳輝工貿有限責任公司」(王東風総経理)と、合作方式による新会社「加藤環保科技(天津)有限公司」を設立しと、発表した。加藤組土建が、濁水処理やエマルジョン燃料(水と油の混合燃料)などの環境事業に関する技術を提供し、将来的には専用の機器や薬剤の製造を中国で展開することを目指す。

 急速な経済成長を遂げる中国で環境保護対策が問題視される中、加藤組土建は函館市と友好都市協定を結ぶ天津市の企業との事業展開を模索。新会社の設立にあたっては、加藤組土建が環境事業の技術を提供し、中国天津市炳輝工貿社が設備を含めた資金を提供することで、今月3日に両者間で合意書の調印を交わした。

 新会社の主な事業内容は、(1)濁水処理設備プロジェクト(2)エマルジョン燃料システムプロジェクト(3)環境全般にかかわる新規事業の追加―の3本柱。

 (1)では、加藤組土建の関連会社「カドック」が独自に開発した汚水処理凝集剤「カドクリーン」と、その専用処理機「ABCシステム」を使用。「カドクリーン」は国内産の鉱物を主原料とした無機性で、水の酸性度を示すpH(ペーハー)値の変動が少なく、脱水性に優れているなどの特徴があり、従来より処理に要する時間や費用の低減が期待できる。

 (2)は加藤組土建が販売代理契約を結ぶ市内の業者から添加剤と機材を仕入れ、中国に輸出。すでに、道内の農家などで実用化されていて、NOx(窒素酸化物)やPM(粒子状汚染物質)の低減、通常燃料とほとんど変わらない燃焼効率が実証されている。

 新会社での本格稼働に向け、各プロジェクトの関連薬剤・機器6セットずつを受注し、販売価格は約5000万円。また、11月ごろから中国への技術者派遣と、逆に中国からの研修受け入れを定期的に繰り返しながら技術力の向上を図り、2年後をめどに中国での現地生産につなげる方針だ。

 加藤社長は「北京五輪後のさらなる発展を見据えると、せっかくのチャンスを逃すまいとチャレンジを決めた。互いの良いものを持ち寄る合作という形態であればリスクも少なく、事業の成功にとどまらず、新たな分野への進展も視野に入れていきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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