ハコダテライフ 渡辺保史の 情報デザイン考現学 vol2

#002 すっかり間が空いてしまいました。スイマセン。

昨年暮れに連載をスタートさせ、「ほぼ毎週更新」などと謳ったものの、あまりの忙しさで気がついたらもう1月も下旬。連載のペースまでスローだとマズので、何とか挽回していきます。 思わず忙しい、などとクチバシってしまったけれど、こういう人間がスローマップなんて言っていいものか、と少し考えてしまう今日この頃なのは確か。実際、ボクがどんな日々を送っているかというと、去年の移動記録をここにざっと書くだけで少し想像できるだろう。出張回数が30回、合計121日。行き先は東京、仙台、札幌、帯広、大阪、京都、神戸、徳島、浜松、群馬、北九州など。要するに一年の3分の1はどっかに出かけている感じだった。

年間60回も飛行機に乗ってるのだが、もともと飛行機好きなもので、とてもウレシかったりする。これは冬季に函館・仙台線を飛んでいるスウェーデン製の小型機。空飛んでる!って実感がする。

だからこそ、自戒の意味も込めて敢えて「スロー」と標榜しているのかも、と自己分析もしてみたくなる。まぁ、それはそれとして、これだけ旅をしていると、前回も書いたように、それぞれのマチの特徴とか、いいところ悪いところは嫌でも気になってくる。 東京や大阪、札幌みたいな大都市はさておき、ハコダテと同じくらいの規模のマチ、要するに地方都市に行く機会も結構あるけれど、凄く感じるのは「なんか、どのマチも同じよーに見えるなぁ」ってこと。 特に典型的なのは、駅前の風景。目立つのはコンビニ、消費者金融の看板ばかり。人通りが少なくて、空き店舗のシャッターもちらほら。で、ちょっと郊外までクルマで移動すると、幹線道路沿いもまた似たような風景。いわゆるロードサイド・ビジネスがズラーっと並んでいる。

で、飛行機の中にもこんな情報デザインがある。物事の手順を、分かりやすく伝えること。これは大きなデザインテーマだ。

正直言って、地方都市の街並みを眺めていると、「デザイン」も何もあったもんじゃない、という気がしてくる。そりゃ、ドライバーの目線からもパッと気がつくような目立つ看板をつくるのも、デザインといやぁデザインだけどさ。でも、そこには何の味わいも、センスも、そして人の息づかいもないんじゃないだろーか。 でも、少なくとも、ハコダテにはまだ、のっぺりと日本のあちこちを覆い尽くしている悲惨なデザインの魔の手(?)が及んでいない、古い街並みが残っている。まあ、取り残された、といった方が正しいのかもしれないが、それでもハコダテのそこかしこにひっそりと息づいているスローな感じの街並みは、今となってはとても貴重な宝であることは間違いないだろう。 ハコダテにとって必要な情報デザインは、「進歩」や「発展」というファストな時間の流れからは取り残されたような、ハコダテならではのスローな時間を感じられる場所が持つ価値を取り戻すことなんじゃないか。僕はそんな風に考えているのだ。

update 2003/1/2316:51
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