ヒグマ出没急増、四稜郭や笹流ダム周辺

update 2015/7/24 10:26


 7月に入り、函館市陣川町の四稜郭から赤川町の笹流ダム前庭広場周辺で、ヒグマの出没が相次いでいる。昨年の同時期の出没情報は1件だったが、今年は11件と例年にないクマの出没情報が寄せられている。23日現在、人畜被害はないが、市など関係機関は注意を呼び掛けている。

 クマの目撃情報の増加を受けて市農林整備課は、17日に箱わなを設置。翌18日夕に子グマ1頭を捕獲した。クマは体長約1bのメスで、やせこけていたという。ただ、捕獲後もクマの目撃があったことから、同課では付近の住民に警戒を呼び掛け、新たに箱わなの設置を検討している。

 一帯を見回りする北海道猟友会新函館支部の水島隆支部長(62)によると、陣川で目撃されている子グマは親離れして間もないとみられる。えさが豊富にある山奥は成熟した大人グマ≠フ縄張りのため、「子グマは大人グマを恐れて、人里に逃れてきているのでは」とみる。他のクマの縄張りに入ると、殺されることもあるという。

 陣川町周辺で目撃されているクマは畑を荒らしておらず、人に直接危害を加える危険性は低いと見られるが、安全策は不可欠。水島支部長は「単独で入山しないこと。この時期は木の実や山菜が少ないので、生ゴミを屋外に置くことは厳禁。クマは人を警戒しながら行動するので、外出する際は音が鳴る物を身に付けるなどして、人間の存在を知らせることも必要」としている。

 陣川周辺の出没状況をみると、川沿いが多く、子グマが人を警戒している様子もうかがえる。クマの警戒に当たる関係者は「クマ社会も厳しい。(生きるために)子グマも大変だ」と複雑な心境だ。

提供 - 函館新聞社

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