特急北斗エンジン出火 燃料制御部品破損が原因

update 2015/4/24 10:19


 八雲町のJR函館線で2013年7月、特急北斗14号(8両編成)のエンジン付近から出火した事故で、国土交通省運輸安全委員会は23日、ディーゼルエンジンに送る燃料を調整する部品「スライジングブロック」に過度な負担がかかり、一部が折れたことが原因とする調査報告書を公表した。また異常な燃料噴射量を防ぐ「停止ボルト」を取り付けていなかったことも分かり、作業ミスの可能性も指摘している。

 報告書によると、燃料制御装置内に異常な振動が発生していたほか、停止ボルトが付いていなかったためにスライジングブロックに約3倍の負荷がかかり、金属疲労が早まって折損した可能性があるとした。エンジンは制御不能な過回転状態となり、連接棒やピストンなどの部品が破損して上がった火花が、燃料などに引火した可能性が考えられるとした。

 同装置内で発生した異常な振動について、現場関係者は認識していたが、全社的に情報が共有されておらず、重大性に対する認識や処置が不十分であったと指摘。原因究明に関する十分な調査、分析が行われず、的確な対策が取られなかったことが複数回のトラブルや重大インシデントの発生につながったと考えられると非難した。スライジングブロックの破損は12年9月、13年4月にも発生しており、同4月に部品を一斉に交換した際、停止ボルトの取り付けを失念した可能性があるとした。

 再発防止策として、エンジン本体が損傷することがないように対策を多層的に設け、正確な情報を本社と現場が共有して原因究明のための十分な調査を行い、的確な対策を講ずることが必要とした。

 事故は13年7月6日、八雲町のJR函館線山崎—鷲ノ巣間を走行中に4両目床下のエンジン付近から出火。乗客約200人と乗務員4人が避難し、けが人はいなかった。

 ■再生に全社一丸

 JR北海道は報告書の公表を受け「お客さまをはじめ、皆さまに多大なご迷惑とご不安をお掛けしたこと、長期にわたる同形式の特急列車の運休で多くのお客さま、地域の皆さまにご迷惑をおかけしたことについて、改めて深くおわび申し上げます。安全を最優先とする鉄道会社への再生に向け、全社員一丸となって取り組んでまいります」とコメントした。

提供 - 函館新聞社

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