震災4年 被災地の現状 語り継ぐ 湯川寺副住職の筒井さん

update 2015/3/11 10:14


 東日本大震災で甚大な被害があった岩手県大槌町で進められている「菜の花プロジェクト」。函館でもボランティア団体「函館大槌応援プロジェクト(HOOP)」を立ち上げて復興支援に尽力している人がいる。湯川寺(湯川町3)副住職の筒井章順さん(28)だ。震災から4年を迎えボランティア作業は減っているものの、僧侶という職業を生かし「被災地の現状を多くの人に語り継ぎたい」と力を込める。

 菜の花プロジェクトは「供養と希望」の思いが込められた復興のシンボルである菜の花を、大槌川沿いの河川敷いっぱいに咲かせる取り組み。

 筒井さんは2011年7月、被災地の復興を支援しようと災害ボランティアツアーに参加。大槌町を訪れた際、菜の花プロジェクトを始めた金山文造さんに出会い、構想に賛同した。帰函後に「継続して何かできることはないか」と模索。12年春、ツアー参加者とともにHOOPを発足させた。

 大槌でもらった菜の花の種を寺の花壇にまいたところ、毎年花を咲かせている。HOOPは、菜の花を植える環境整備やがれきの撤去作業などに取り組んできたが、近年は復興が進みボランティアの作業が減少。このため、14年5月にHOOPのメンバーとともに大槌を訪れた際は満開に咲く菜の花を見るだけだった。それでも「河川敷に広がる黄色の光景に感動した」と話す。

 津波で家が流失した町民の言葉が胸に突き刺さり、法話では「当たり前だと思っていた生活が当たり前ではなくなる。毎日の生活を大事にしてください」と伝えている。筒井さんは「今後、個人としてできることは『伝える』ことだと思う。震災を忘れず、被災地のことを多くの人に伝えていきたい」と心に誓っている。

提供 - 函館新聞社

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