函高専生 雑草スベリヒユ機能性を研究 化粧品開発を提案
update 2015/2/23 10:15
函館高専(岩熊敏夫校長)の専攻科1年生3人が、雑草として嫌われ者の多年生植物「スベリヒユ」(以下ヒユ)の機能性成分の研究を進めている。当初は健康に良いとされる「オメガ3脂肪酸」を多量に含むと考え食用としての商品化を模索。しかし、ホウレンソウの方がたっぷり含むとの理由から、視点を変え化粧品への応用を提案している。
ヒユは全国に自生し、山形県では「ひょう」と呼ばれ、山菜の一種として食べられる。それ以外は畑作の害草として知られ、雑草扱いされる。古くから漢方などに利用されており、有効利用できないかの研究開発に昨年9月着手した。
「創造実験(PBL)」という授業で、医薬品原料製造の宏輝(東京)の依頼を受け、金澤智美さん(21)、小林広弥さん(21)、中村香織さん(21)がチームを組んだ。ヒユの機能性に関する研究は珍しいという。
実験では、溶媒として水、メタノール、ヘキサンを使い、ヒユとホウレンソウの有効成分を抽出。抽出物の中にどんな脂肪酸が入っているかを調べたところ、ヒユはホウレンソウに比べて少ないもののパルミチン酸、リノール酸、オメガ3脂肪酸の一つであるリノレン酸をバランス良く含むことが分かった。一方、ホウレンソウはリノレン酸が特に多かった。
このほか、試験で抗菌効果も確認。抗酸化能(酸化を抑える能力)は、野菜の中でも高位に位置付けられるホウレンソウより高いことも明らかになった。
3人は「ヒユを使ったハンドクリームやせっけん、化粧水などスキンケア商品の開発を提案したい」という。担当する物質環境工学科の伊藤穂高准教授は「未利用資源を活用した商品開発につなげたい」と話す。
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