海洋観測システム 光ファイバを利用…エコニクスが開発へ

update 2014/8/8 10:15


 函館市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町)に入居した環境コンサルティングのエコニクス(札幌市、三上卓也社長)は、光ファイバーケーブルを利用した新しい海洋観測システムの開発に取り組んでいる。センサーで計測した水温や塩分濃度などの大容量のデータを、ケーブルを使って送信。漁業の効率化に結び付けたい考えで、来年度の実用化を目指している。

 海中のデータ計測は、漁業の効率化を図るうえで重要。この技術はすでに確立されており、ブイにセンサーを取り付け、無線でデータを送る方式がある。同社の新システムの特徴は光ファイバーケーブル(有線)を活用する点。光を電気変換してセンサーに電源を供給する仕組みで、安定的なモニタリングが可能。得られたデータはケーブルを使って送り返す。

 また、無線でないことから、ノイズを拾うこともなく、高い精度が期待できるという。水温や潮位を計測する技術は開発済みで、今後は水素イオン濃度や溶存酸素の量を計測できるようにする。

 ケーブルを利用することで容量の大きな映像のやりとりもできることから、システムにはカメラを組み込むことも計画している。同社マリンラボの鹿糠幸雄所長は「定置網の引き揚げのタイミングは漁師の勘による部分が大きかったが、モニタリングとカメラの搭載で海中の様子や網の中を確認できる。漁業の効率化や収入アップにもつながるはず」と期待する。

 9月末には同センターの岸壁で実験を開始する予定で、来年度中の実用化を目指している。鹿糠所長は「水産業だけでなく、潮位の測定は防災、減災にも活用できる技術。さまざまな可能性を探っていきたい」と話している。

 同プロジェクトは国の中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業に採択され、NTT東日本や古河電工、日本コムシスが光ファイバーケーブルや敷設、センサーの技術面で協力した。

提供 - 函館新聞社

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