紅藻「ダルス」活用に期待 食品加熱しても緑色保持

update 2014/5/28 10:09


 道立工業技術センター(函館市桔梗町)が、道南に分布する紅藻の一種「ダルス」の素材特性を明らかにした。緑色化させると、高温で長時間加熱しても緑色が失われず、加熱殺菌する食品に緑色を添えられる。色合いのきれいなレトルト食品を食べられる日が来るのか―。

 27日、ロワジールホテル函館で開いた研究成果発表会で、同センターの木下康宣研究主査が報告した。

 ダルスは寒海性の海藻。紫色がかった紅色で、カナダや北欧では「海のパセリ」と呼ばれ、食される。日本では利用されておらず、収穫対象になっていない。コンブの養殖ロープに繁茂し、コンブに日が当たらないため除去。資源量は函館市南茅部地区だけで年間100dと推計される。

 生では赤紫色だが、一定条件でボイル加熱すると緑色になる。発現した緑色は120度で15分間のレトルト加熱を施しても良好な緑色を保持。法律上は120度で4分以上相当と定義されており、さらに過酷な条件で加熱処理を行っても緑色が残っていることが分かった。この特徴はコンブやワカメにはなく、陸上の野菜も持っていない。

 木下さんは「ダルスは世界的に生か乾燥で利用されており、ボイル文化は日本独自。ボイルすると、こういう特徴を持っていると知ったのは初めてと思われる」と話す。例えば、レトルトの親子丼で黄色の中に鮮やかな緑があれば価値が高まることが期待される。

 この成果はFOOMA JAPAN2014(国際食品工業展)=6月10〜13日・東京=でも、木下さんが口頭発表する。

提供 - 函館新聞社

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです