燃油高 漁師苦境 6月解禁スルメイカ漁

update 2014/4/20 10:24


 6月から始まる函館・道南のスルメイカ漁が苦境に立っている。燃油価格が高止まりの状態で推移しており、イカ釣り漁業者は厳しい操業を強いられそうだ。ウクライナの政情不安などで、今後も原油価格の上昇傾向が続く見通しで、現場の不安が強まっている。

 イカ釣り漁船22隻が所属する函館市漁協(橘忠克組合長)によると、組合員に販売するA重油価格は1リットル当たり98・2円(税別)。急激な円安で値上がりした前年同期より4・9円高い。同漁協は「資材が値上がりする中、消費税も3%上乗せされてきつい」と漏らす。

 大量の燃料を夜間の照明に使うイカ釣り漁は、経費の4割が燃油代。解禁後は松前小島付近が漁場となるため、燃油代の負担が重くのしかかる。同漁協は「6月に向けて燃油代が下がる要素はなく、逆にもう一段上がる可能性がある。でもシーズンなので、漁を休むわけにいかない」。

 道水産経営課によると、釧路港でのA重油取引価格(道漁連まとめ、税別)は1月が1リットル当たり99円、2月が同98円、3月が同97円、4月が同98円と推移。4月は前年同期より4・9円高く、2009年4月に比べ41・4円も高い。

 水産庁は昨年、円安に伴う燃油高を受け、漁業経営セーフティーネット構築事業を拡充した。

 道総研函館水試(金森浩一場長)の試験調査船「金星丸」が5月17〜23日、松前沖〜秋田県沖の日本海側のスルメイカ分布密度を調査する。澤村正幸研究主任は「資源量が低水準に入る傾向は見えておらず、漁場形成の成否が鍵を握る」としている。

提供 - 函館新聞社

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