春採りコンブ 利用進む

update 2014/2/28 09:47


 マコンブ養殖が盛んな函館市で「春採りコンブ」の利用が進んでいる。柔らかな食感が特徴で、市内2社が生で食べられるボイル塩蔵品を生産しており、生産量と市場も拡大。ヨウ素の過剰摂取を気にする人も、安心して食べられることが研究で分かった。現在、函館タナベ食品(田邉元久社長)が扱うコンブの収穫・加工シーズンを迎えた。

 養殖コンブは通常、春に間引き作業を行い、実入りが良くなる夏に本格採取する。この「間引く」から「春に採る」へと発想を変え、資源として積極活用する試みが春採りコンブだ。

 同社は戸井漁協(森祐組合長)の協力を得て、本来は成長させて乾燥品とするものを2月下旬〜3月上旬に早く収穫。戸井地区小安産を使った「昆布の若芽」を販売して今年で7年目。今年は昨年より6トン多い56トン(原藻ベース)を使う。協力する漁業者も同3人増えて28人に。森町砂原の加工場で委託処理し、コープさっぽろなどに出荷している。

 柔らかくシャキシャキした食感で、サラダ感覚で食べられる食材として需要が高い。今年新たにロック・フィールド(神戸市)が展開する高級総菜専門店「RF1(アール・エフ・ワン)」での採用が決まり、春巻きと韓国風サラダとして販売される。「道内外で新しいマーケットが広がってきた」と同社。

 間引いたコンブは地元漁師が食べるくらいで市場には出回らなかった。しかし、生鮮利用という新たな道が開け、田邉社長は「現金収入が年に2回となり、若い漁業者が戻ってきた」と話す。

 道立工業技術センター(桔梗町)では、ノーステック財団(札幌)の支援を受けて塩抜きして食べられる状態にしたボイル塩蔵品のヨウ素含有量を調査。その結果、「過剰摂取を気にする人でも、安心して1日に400〜500グラム程度食べられる」(木下康宣研究主査)という。

 3月には、石田水産も「御刺身(おさしみ)昆布」にする石崎産の春採りコンブの収穫・加工作業を行う。

提供 - 函館新聞社

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