堀川町の佐藤さん道内一周踏破、亡き母の供養、霊場訪ねる

update 2012/9/28 10:11


 趣味でジョギングを楽しむ函館市堀川町の無職、佐藤守彦さん(70)が、徒歩で2カ月半かけて本道一周を踏破し、今月16日に帰函した。心身の鍛練と100歳で亡くなった母ミヱさんへの供養の旅は2750`。佐藤さんは「この年齢で人として成長できるとは思わなかった」と充実した笑みを浮かべている。

 佐藤さんは元高校教員。健康のために50代からジョギングを始めた。52歳で初挑戦した「洞爺湖マラソン」を完走して自信が付くと、「函館ハーフマラソン」など、さまざまな大会に参加、何度も完走してきた。

 今回の本道一周は、6月の誕生日で満70歳となったことや、12月にミヱさんの7回忌を迎えることを契機に決意。過去7回参加してきた「サロマ湖100`ウルトラマラソン」への出場から間もない6月29日、出発した。

 最初はどれぐらい歩けるかを知ろうと道南を回った。その後、胆振地方から反時計回りで沿岸部を進み、ホテルや民宿に泊まりながら一日30〜50`ずつ歩き続けた。悪天候や連日の暑さに体力を奪われながら「靴ずれもひどく、つい挫折しそうになったこともあった」(佐藤さん)という。

 そんな佐藤さんには目的があった。「北海道三十三観音霊場」「同八十八ヶ所霊場」を訪ね、亡母を供養することだ。形見の上着をまとい、お守り袋に収めた遺骨や遺髪を肌身離さず、それぞれ21、37カ所巡った。「あるトンネルで事故に遭いそうになったことがあったが、救ってくれたのは母かもしれないね」と佐藤さん。

 旅先で出会った人たちの存在も大きかった。後志管内島牧村の民宿に宿泊した今月14日午前5時ごろ。出発しようと部屋を出ると、食事が用意されていた。「頼んでないから驚いた。おかみさんの優しい気持ちがこれだけ励みになるなんて…」。あの朝食べたご飯の味が忘れられないという。

 来夏は今回訪問できなかった残りの霊場を訪ねるつもりだ。今回の旅について「やればできるという大きな自信になった」と話し、「供養の旅は終わらない。母のためにできることを、死ぬまで続けたい」と張り切っている。

提供 - 函館新聞社


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