統廃合協議 本格化へ 市立小・中学校再編計画

update 2012/7/2 10:06


 函館市教委は今年2月に成案化された「函館市立小・中学校再編計画」を2日に学識経験者らで構成する学校教育審議会に諮問し、具体的な統廃合内容について協議を本格化させる。来年度早々にも第2グループ(凌雲、五稜、大川、港、光成、的場、桐花)の7中学校の再編内容について同審議会が答申する予定だが、通学距離や母校の存廃、校名などの問題を抱えており、保護者や地域からは切実な声が聞こえてくる。

 同計画は市内の児童、生徒数減少に伴い、小学校を46校から34校へ、中学校を28校から19校へ統廃合するもの。全体を7つの再編グループに分け、4期のスケジュールに分けて行う。第1期は第2グループの中学校を対象としている。

 再編の目的として、一定の学校規模の確保による子ども間交流の活発化やクラブ活動の充実などを挙げ、社会性と人間性を育む上で有効的としている。

 7校から3校へ統廃合する第2グループは、中心市街地に位置しながら小規模な学校が多く、建物の老朽化といった問題も抱えているため早急に再編。市教委は「通学距離や学校の規模、建物の老朽化具合、生徒数の推移などを総合的に勘案して決めたい」と説明する。

 各校の現況として、生徒数(昨年5月1日現在)は的場が10学級、336人と最も多く、光成の3学級、96人が最低。ほか5校は学級数が6〜9、生徒数は181〜291人となっている。推計では2017年には凌雲のみ生徒が10人増え、ほか6校は港の40人減を筆頭にすべて減少する見込みだ。

 市内全体をみても、昨年度の児童数が約1万2000人、生徒数は約6000人なのに対し、17年度の推計では児童数が1万300人、生徒数は5400人まで減少するとされている。

 建物の建設年数は、的場が1936年と最も古く、桐花は96年と7校の中で一番新しい。このほか港が94年で、残りは58〜70年に集中している。耐震性は五稜が昨年度校舎の耐震化を図るなど、建築年数に比例していない。

 小学生の子どもを持ち、港町に住む会社員男性(45)は「(進学予定の)港中がなくなってしまったら通学が不便になる。自転車通学ならまだしも、徒歩だと子どもがかわいそう」と話す。

 市教委は素案提示後、1〜2月にかけて7校でPTAや町内会などを対象とした説明会を開催。参加者からは「クラブ活動などを考えると、ある程度の規模は必要だから統廃合はやむを得ないと思う」「高校進学を考えた場合、いろいろな人と接するための社会性を身につける必要があるから再編したほうがいい」といった肯定的な意見が寄せられた。

 一方で、「地域の学校がなくなることはすごく寂しい。同窓生にとっても愛着は非常に強い」「3校まで減るのは極端すぎる。ある程度は仕方ないが、もっと配慮してほしい」など切実な声も多数飛び交った。

 今後は早ければ秋にも、ある程度の構想を固めて意見聴取会を開く。答申後も説明会を開催するなどして地域の声を尊重する姿勢だが、課題は山積している。

 市教委は「3校はあくまでも目安で、地域の意見を踏まえて4校とする可能性もある。空き校舎はただ放っておくのではなく、何らかの形で利用するようにしたい」と説明。また「子どもや家庭にとって最適な学習環境にすることが最も大事。学校は地域の思いでもあるため、慎重に時間をかけて決めていきたい」としている。

提供 - 函館新聞社


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