計画停電実施なら「死活問題」…コンブ漁師不安

update 2012/6/28 11:11


 電力需給の逼迫(ひっぱく)時に限り北海道電力が実施する計画停電について、函館市沿岸のコンブ産地が危機感を募らせている。コンブの生産に欠かせない乾燥機が電気頼みだからだ。しっかり乾燥させないと商品価値が下がり、収入減に直結する。漁師は「計画停電だけは避けてほしい」と強く訴える。

 「1日2時間でも電気が止まるのは困る。この地区は一大コンブ産地だから、計画停電となれば死活問題だ」。南かやべ漁協(鎌田光夫組合長)大船支所の代表理事を務める坂田憲治さん(65)=大船町=は生産者の声を代弁する。自らも天然と養殖コンブで生計を立て、自宅敷地内には乾燥施設2棟(大型乾燥機2台)を所有。今月下旬から8月中旬まで24時間フル稼働させるという。現在の養殖に加え、7月から天然の水揚げも始まって盛漁期となれば寝る間も惜しんで仕事に励む。

 コンブの乾燥は本来、天日が良いとされるが、天候の悪い日もあるほか、「盛漁期には干し場もなくなるので、1日で干し上げるには乾燥機を使わないと処理できない」と坂田さん。計画的に生産するには乾燥機が欠かせないと強調する。

 乾燥機の動力は電気。灯油とA重油を熱源とし、熱風を室内に循環させ、湿度を下げる。坂田さん方では、1度に10時間かけて乾燥させ、1日に2度の乾燥作業をする。扇風機11台と換気扇5台もあり、盛漁期の電気代は月8万円に上る。「質の良い製品を作るには電気が必要。扇風機2台、換気扇1台を止めるなど節電に協力しており、計画停電は何としても避けてもらいたい」と話す。

 同支所管内のコンブ漁師は天然、養殖を合わせて160戸あり、生産量は組合全体の約3分の1に当たる1000トン。高山博支所長は「乾燥機がないと仕事ができず、地域産業に計り知れない影響を及ぼす」と危惧、生産現場の実情を踏まえた判断を北電に求めている。

提供 - 函館新聞社


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