工藤市長ら経産省などに大間原発無期限凍結を要請
update 2012/1/25 10:07
【東京】青森県大間町で建設中の大間原子力発電所について、函館市の工藤寿樹市長と北斗市の高谷寿峰市長、七飯町の中宮安一町長らは24日、東京の民主党本部や経済産業省、事業者の電源開発を訪問。建設の無期限凍結や、函館を含む関係自治体の同意を求める要望書を手渡した。
要望活動は昨年6月に続き2度目。前回は道との連名で国や事業者に情報提供を求めることが主眼で、工藤市長が口頭で無期限凍結を求めるにとどまっていた。今回は「文書ではっきりと申し合わせる」(工藤市長)と北斗市、七飯町に参加を呼び掛け、3市町の首長と議長が足並みをそろえての行動となった。
民主党、経産省に対する要望書では、福島第一原発事故について「国は昨年12月に事故収束を宣言したが、原発はまだ不安定な部分を抱えているほか、除染や食品への放射能汚染の問題なども解決されていない」と指摘。@福島第一原発の事故原因を徹底的に解明し、その結果を国民に説明するA国のエネルギー政策について原子力からの脱却も含めて議論し、抜本的見直しを図るB大間のような建設中、計画中の原発は無期限凍結C半径30キロの範囲内の自治体の同意がなければ、大間の建設再開をさせないよう国が関与する―の4点を求めた。
一行は民主党の松浦大悟副幹事長、電源開発の渡部肇史常務取締役、牧野聖修経済産業副大臣を相次いで訪問。逢坂誠二衆院議員が同席した。
函館市総務部などによると、工藤市長は津軽海峡が国際海峡としてさまざまな船舶が通過している点に触れ、「テロの標的になりかねず不安がある」と主張。中宮町長は「福島のような事故があればすべてがだめになる。脱原発の論議が後退している感がある」、高谷市長は「万が一のことがあれば北斗にも被害が及ぶ。50キロ圏内の自治体の意見も聞いてほしい」と訴えた。これに対し、牧野副大臣は「一刻も早く事故原因を究明したい。中長期的には脱原発依存の方向は変わらない」としたが、大間原発凍結に関する言及はなかった。
さらに電源開発に対しては、無期限凍結などに加えて積極的な情報開示を要望。渡部常務は「できる限りの安全対策を講じたい」と述べるにとどまり、建設を再開したい意向を示した。
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