「意見の対立は対話で」 元朝日新聞・北京支局長 秋岡さんが講演…日中国交正常化35周年記念講演

update 2007/5/14 11:34

 日中国交正常化35周年記念講演「スライドとお話でもっと知りたい中国」(函館日中友好協会主催)が13日、函館市民会館大会議室で開かれ、約250人の出席者が今後の日中関係のあり方について理解を深めた。元朝日新聞北京支局長の秋岡家榮(いえしげ)さんが講演し、「今後の日中両国は、中国とインドの関係のように現状を固定し、意見の対立は何年かけても対話で解決すべき」と述べた。

 秋岡さんは北京支局長時代、中国の周恩来首相ら政府幹部と交友があった。1972年の田中角栄首相と周首相による日中共同声明の署名に報道関係者として立ち合ったほか、インドやベトナムの特派員を務めた。

 秋岡さんは、中国が建国以来、階級闘争から国民の生活水準向上を目指す転換を図ったが、共産主義社会を目標としている点だけは変わっていないことを指摘。現在の速度で行くと、中国の経済力は2020年にアメリカを追い抜き、日本は中国との関係が一層重要になっていくとした。

 そうした中で日中関係に火種が生じた際は「中国の周首相とインドのネール首相が1950年代に交わした『平和5原則』が参考になる」と述べた。また国交回復時、中国は国内に根強い反対がある中で日本に戦争の賠償を求めなかった点などを挙げ、中国は日本と友好関係を築こうと努力していることを伝えた。

 このほか、地理学者で桐朋教育研究所講師の北原安門(やすと)さんが、自身が撮影した2万枚を超すスライドの中から、中国各地の風土や住居を紹介。「北京などの大都市は大きく変わったが、人口の6割以上を占める農村部の風景や生活は変わらない」と述べた。共催のマリンバ北星会のマリンバ演奏もあり、参加者を楽しませた。

 同協会の東出隆司会長は「中国は怖い国か、との質問をよく受けるが、反日デモや治安などの面では全くそういうことはない。ただ、国土が広く人口も多いため、自動車の普及など何をやっても規模が大きくなることはあります」とあいさつし、中国を正しく理解する必要性を説いた。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです