「60歳からの主張」コンクール・小野明夫さん全国入賞

update 2007/2/5 14:23

 全国老人福祉施設協議会主催の「第3回60歳からの主張」コンクールで、函館市西旭岡町3の小野明夫さん(70)のエッセー「次世代に伝えたいこと」が見事、論文部門の佳作に入賞した。5部門に全国から1738作の応募があり、入賞者はわずか10人。小野さんは「入賞するとは思っていなかったが、自分の思うことを素直に文章に記したことが審査員に受け入れてもらえ、うれしい」と喜んでいる。

 「60歳からの主張」は、少子高齢化の時代に、60歳を第2の成人のスタートと考え、高齢者の胸の内を社会に発信してもらおうと、論文、俳句、川柳、短歌、絵の5部門で実施。小野さんが応募した論文部門には621編が集まり、赤瀬川原平氏、阿久悠氏などそうそうたる審査員によって、優秀賞3人、佳作4人が選ばれた。

 若いころから文章を書くことが好きだった小野さんは1961年、戦争時代の自身の疎開体験をベースにした小説「北斗の子」が出版され、NHKテレビでドラマ化されるという経験を味わった。しかし、病院でリハビリの仕事に携わるなど激務のために、その後は思うように執筆活動を続けることができなかった。

 今回のエッセーでは、自分自身の若いころに対する反省と、老後の生活への不安や不満を皮肉まじりに痛烈に表現。「最近はテレビやニュースなどでも腹の立つ事件ばかり。高齢者の思いを率直に伝えたかった」と話す。

 1月29日に東京のホテルニューオータニで受賞式が行われ、小野さんも出席。「何年ぶりかで東京を訪れたが、街のエネルギーに圧倒された。函館にももっと活気が欲しい」と話す。

 小野さんはこれまで、社会に対する風刺を利かせた1200首の川柳を書きため、現在は一つひとつに解説風のコラムを付けて完成を目指している。すでにいくつかの出版社と書籍化の話も進められており、「これから手直しを加えて、年内にも出版にこぎつけたい。この年齢になってもやりたいことがたくさんあって、1日32時間ほしいくらい」と、ちゃめっ気たっぷりに笑顔を見せている。

提供 - 函館新聞社



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