上半期観光客7・7%減、外国人宿泊は最多20万人

update 2017/12/15 07:50


 函館市が14日に発表した2017年度上期(4〜9月)の観光入り込み客数(推計値)は約338万2000人で、北海道新幹線の開業ブームに沸いた前年同期を7・7%下回った。おととしとの比較では5・3%上回り、新幹線効果を維持。外国人宿泊客数は前年同期比24・4%増の約20万人で、東南アジアからが大幅な伸びを示し、上期としては過去最高となった。

 上期の入り込み数が前年割れとなるのは3年ぶり。観光需要が増える8、9月で減少幅が10%を超え、昨夏に展開した大型観光企画「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」の反動などがみられた。

 交通機関別では、鉄道が同12・3%減の87万5200人。ただ新幹線開業前のおととしとの比較では26%増加した。バスは同10・5%減の128万2900人、乗用車は同7・2%減の59万8100人。

 一方、船舶は同13・1%増の21万7200人で、函館に寄港したクルーズ船の乗客が増加し、フェリーの利用客も堅調だった。航空機は、バニラ・エアの成田線就航などが全体を押し上げ、同3・3%増の40万9000人だった。

 訪日外国人宿泊客数を国、地域別にみると、直行便がある台湾が最多で同14・4%増の11万933人。中国が同14・7%増の2万9124人、香港が同2・2倍の1万822人で続いた。

 東南アジアではタイが同45・2%増、シンガポールが同66・4%増、マレーシアが同35・0%増と高い伸びを示し、市観光部観光企画課は「これまでのプロモーションの成果が表れた」と分析する。

 昨年度全体の観光入り込み客数は560万7000人と、新幹線開業や初のフルマラソン開催などがけん引し、統計を開始した1955年以降で最多となった。本年度の見込みについて、同課は「前年度には及ばないが、500万人は突破するのでは」とみている。

【解説】年間600万人へ カギ握る訪日客

 「国内客を維持するのはもちろんだが、それ以上にインバウンド(訪日外国人客)をさらに増やすのが重要だ」。観光入り込み客を2020年度までに600万人とする目標に対し、本吉孝年観光企画課長は14日、訪日客を増やして実現させる考えを強調した。

 開業ブームで昨年度の入込数は、過去最多の560万7000人を記録。本年度は、下期が上期と同様に推移すると仮定した場合、510万人程度となるが、減少幅に対して本吉課長は「想定内の数字」と強気の構えだ。“特需”がひと段落した今、これからの伸びは海外客の増加が鍵を握る。

 追い風となるのが、タイの格安航空会社(LCC)「タイ・エアアジアX」によるバンコクへの直行便の就航。来夏にも週3往復の運航を始める予定で、シンガポールのLCC「スクート」も来年のチャーター便運航を検討している。

 冬場の下期に国内客の需要が大きく落ち込む函館観光にとって、外国人客の存在は年々増している。函館ホテル旅館協同組合によると、中華圏の旧正月「春節」の時期は宿泊者に占める外国人客の割合は6割に上るといい、遠藤浩司理事長は堅調な海外客に関し「このレベルをいかに持続させるかが重要だ」と力を込める。

 市内では函館朝市が訪日客用の総合カウンターを設置したほか、テーオーデパートが中国人向けにスマートフォンを使った電子決済サービスを導入するなど、受け入れ態勢が着々と進む。開業効果で国内客を高止まりさせ、訪日客によってどれだけ上積みできるか、目標の実現に向けて官民の力が試される。

提供 - 函館新聞社

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