函館の戦跡たどるピースマップ完成

update 2017/7/30 07:48


 函館YWCAピースプランニング委員会(丸山泉委員長)は、函館における戦争とのかかわりや出来事を1枚の地図にまとめた「はこだてピースマップ」を制作した。箱館戦争から太平洋戦争、戦後の引き揚げまで、市内でたどることのできる戦争関連の歴史を30項目にまとめた。

 同委員会は、2013年から「平和と憲法をめぐるトークシリーズ」と題した集会を22回開催。ゲスト講師を交えて考えてきた平和について、成果の一つとして、ピースマップ制作を進めてきた。A2判の表面には地図、裏面には項目ごとに200字程度の解説文と写真を掲載した。

 日本の近代化の始まりとして、明治維新の最後の戦いとなった箱館戦争を掲載。日露戦争につながる津軽要塞(函館山)をはじめとする軍隊関連施設、戦前・戦中の「北海道綴方(つづりかた)教育連盟事件」「小山宗祐牧師補獄死事件」「朝鮮人・中国人強制連行」など、思想弾圧や過酷な強制労働の歴史についても項目を設けた。多くの死傷者を出した函館空襲、進駐軍の上陸といった終戦前後の出来事もたどることができる。

 また、写真資料や詳細な説明文など掲載しきれなかった情報は小冊子「解説版」にまとめた。「教育勅語」「大政翼賛会」「学徒動員」といった用語集も載せる。さらに「箱館戦争」「弾圧の足あと」「空襲・敗戦・戦争」などのテーマで、2〜3時間程度でめぐることのできるモデルコースをつくり、今後のイベント開催を検討する。

 丸山委員長は「地元のことでも知らずにいたことが多い。ピースマップを見てもらうことで、新たに情報が深まっていくことを期待している」と話している。

 マップは1部150円。30日に市地域交流街づくりセンターで開かれる「NPOまつり」で販売を開始。8月10日ごろに解説版(350円)を発行後、市内書店で1セット500円で販売も予定する。問い合わせは函館YWCA(0138・51・5262)へ。

提供 - 函館新聞社

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