道南自治体間に温度差 新幹線札幌開業5年前倒し

update 2015/1/10 10:17


 与党の整備新幹線に関する作業部会が、北海道新幹線新函館北斗—札幌間の開業を5年前倒しし、2030年度の開業を決めたことに関し、沿線自治体や経済団体からは「道南経済の底上げや地域活性化につながる」と歓迎の声が上がった。一方で新函館北斗の終着駅効果短縮や、並行在来線の経営分離も時期が早まる面もあることから、自治体間には少なからず温度差も出ている。

 札幌延伸で新たに駅ができる自治体は歓迎ムードが強い。八雲町の岩村克詔町長は「開業後の地元経済への波及効果はさらに高まることが予想され、大いに期待している」、長万部町の木幡正志町長も「長万部駅は広域の拠点駅となるため交流人口の増大が想定されており、いかに地域経済活性化に結び付けるかが重要。スケジュールを少し早めながらまちづくりにおける計画策定を進めたい」と力を込めた。

 雇用や観光振興に期待する声も。七飯町の中宮安一町長は「函館総合車両基地がフル稼働するタイミングが早まり、雇用の受け皿として期待している」とし、森町の梶谷恵造町長は「札幌を含めた北海道の観光地化がますます加速する。道内全体のメリットにつながるので、応援を続けていきたい」とコメントした。

 延伸前倒しは一方で、新函館北斗駅(北斗市)が終着駅となる期間の短縮を意味する。函館商工会議所の松本栄一会頭は「オール北海道として見た場合、経済の底上げにつながり、歓迎すべきこと。道央と新幹線で結ばれることは道南観光にも相乗効果がある」とする一方で「北関東、東北と札幌の中間として道南、函館の位置付けをしっかりとしたものにしていかなければならない」と課題を挙げた。

 函館市新幹線対策室は「前倒しは事実として受け止めるが、まずは来年3月に迫った新函館北斗開業の準備に力を注いでいきたい」との姿勢。開業に向けてのまちづくりや新駅からの2次交通など、現下の課題を重視する考え。

 また、JR函館線の函館−小樽間の経営分離も5年早まることになる。岩村八雲町長は「地域住民の足の確保など、解決すべき課題に早めに取り組む必要性も強く感じている。諸課題解決のため今後も関係機関と連携し、国への要請活動を継続していく」と話した。

提供 - 函館新聞社


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