大間からの風船発見 厚沢部の吉田さん「放射能飛ばさないで」

update 2014/9/9 10:09


 【厚沢部】大間原発(青森県大間町)で過酷事故が起きたら、放射性物質が厚沢部町まで達することが証明された。7月20日に大間から空に放たれた放射性物質に見立てた風船500個のうち、1個を同町当路の農業吉田藍さん(34)が畑で見つけた。吉田さんは「津軽海峡を超えてこんなところまで来るとは…」と驚きを隠さない。

 第7回反対現地集会(実行委主催)では、原発敷地に隣接する共有地から500個の風船を飛ばした。放射性物質がどこまで拡散するか調査するため、拾った人が添付はがきを送り返す仕組み。

 吉田さんは7月下旬、南館町の小豆畑で草取り作業中に偶然、畑のふちにあった赤い風船を発見。風船は少し空気が抜けていたが、割れておらず、健在≠セった。大間から届いたことを知り、2、3日後にはがきを実行委事務局宛てに送った。

 畑は山奥にあり、吉田さんは「こんなところまで風船が届くなんて本当に驚いた。今まで大間についてあまり気にしていなかったけれど、放射能が届くのは嫌」と話す。福島第一原発事故を引き合いに「土壌や作物が汚染され、農業が成り立たなくなる。厚沢部は自然豊かな町なので、放射能が飛んでほしくない」ともいう。

 被害が函館にとどまらないことを裏付けた格好で、吉田さんは「風船を見つけて大間のことを身近に感じるようになった。こうした活動を地道に続けていってほしい」と願う。

 青森地方気象台によると、風船を飛ばした午後1時20分ごろの大間の風向きは東の風が5・1b。オホーツク海に中心を持つ高気圧が北日本に張り出すと、青森県太平洋側では東寄りの風が吹きやすいという。厚沢部は大間の北西50〜60`圏にある。

提供 - 函館新聞社


前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです