工藤市長ら福島視察 大間訴訟向け状況確認

update 2013/7/2 10:13


 【南相馬】大間原発(青森県大間町)の建設差し止め訴訟の準備を進めている函館市の工藤寿樹市長は1日、東日本大震災に伴う福島第一原発事故で被害を受けた、福島県南相馬市を視察した。同市の桜井勝延市長から状況説明を受けたほか、被害の大きかった地区を見て回り「住民の命を守るのは基礎自治体。我々が頑張らなければならない」と述べ、改めて国や事業者の電源開発(東京)を相手に提訴に踏み切る姿勢を示した。

 視察は現場被害とともに、事故が発生した際の周辺自治体の避難状況などを確認し、提訴時の根拠とする目的で実施。市議会の松尾正寿議長、斎藤佐知子副議長と4会派の議員らが同行した。

 南相馬市は福島第一原発の緊急時避難区域(EPZ=当時)の対象範囲外で、原発事故に際して市が大半の住民を新潟県などに避難させた。今年5月30日現在で人口約7万1000人のうち1万6000人が避難し、約6400人は市外に転出している。

 桜井市長は当時の状況について「半径20`圏内の避難指示が国や県からきちんと伝達されず、テレビなどで情報を得ていた。市がバスを手配し、20`圏外の避難所に移動した」と説明。その上で「(原発事故が)一度起こってしまえば、どれほどの人が犠牲になるかは明白。自分たちの地域を守り抜くにはあきらめない姿勢が必要」と述べた。

 午後からは、一時帰宅が可能だが宿泊が認められていない「避難指示解除準備区域」に該当する同市内の小高(おだか)区を視察。インフラ整備状況などの説明を受けるとともに、被害の大きかった沿岸部などを視察した。

 工藤市長は「大間も何かあれば同じ状況に置かれるだけに、何としても凍結したい」と強調。提訴時期に関する明言を避けた一方で「建設をやめない限り、(提訴しないということは)私の中ではない」と述べ、現状では提訴が不可避との認識を示した。

提供 - 函館新聞社


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