旧戸井線遺構「蓬内橋」、無筋コンクリ製だった

update 2013/3/27 09:59


 旧国鉄戸井線の遺構のひとつ、函館市瀬田来町のアーチ橋「蓬内橋」(よもぎないばし)の解体工事が今月19日で完了した。物資に乏しい戦時中に建設されたことから、鉄筋の代わりに竹が使われた可能性が指摘されていたが、補強材を使用していない無筋コンクリートであったことが判明した。

 旧戸井線は五稜郭|戸井間を結ぶ単線鉄道として1937(昭和12)年に着工したが、戦局悪化で工事が中断し、戦後も工事は再開されずに終わった「幻の鉄道」。蓬内橋は、長く市道として使用されていたが、老朽化による倒壊の恐れがあることから、市が解体を進めてきた。

 市土木部道路建設課によると、解体したコンクリートからは竹や木といった補強材は見つからなかった。内部すべてにコンクリートが充てんされた状態ではなく、空洞部分もあったといい、「人力での打設で、締め固めが不十分だったと思われる。アーチ橋の支え合う構造上、コンクリートに竹を入れる必要がなかったのでは」と推測する。

 また、コンクリートのサンプルに圧力を掛けて、ひび割れする値を測る圧縮強度試験を実施。結果は現行の基準よりも高い値を示したという。同課は「施工業者からは強度が低いだろうという感触を聞いていたので、高い数値が出るとは思わなかった。ただ、圧縮強度が高くても橋が危険な状態であったことには変わりはない」とする。

 市は、5月中旬から新しい橋の架設工事を実施する予定。瀬田来会館に向かう津波避難路としても重要なことから、幅員は3・1bから5・5bに拡張し、年内にも新しい「蓬内橋」として生まれ変わる。

提供 - 函館新聞社


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