大間凍結を政府に要請、工藤市長ら

update 2013/2/20 11:14


 【東京】函館市の工藤寿樹市長や道南の自治体の首長らは19日、政府や与党を訪れ、昨年10月に工事を再開した電源開発大間原発(青森県大間町)の建設無期限凍結を文書で要請した。要請は政権交代後初めてで、要請先では明確な回答は得られなかったが、事故が起きた際の影響の大きさを強調し、“道南の総意”として改めて抗議した。市は建設差し止め訴訟を準備しており、今後政府や原子力規制委員会の動向を見極める考え。

 大間原発をめぐる要請活動は、民主党政権時の昨年10月以来4回目。工藤市長のほか高谷寿峰北斗市長、中宮安一七飯町長、石山英雄松前町長、佐藤卓也福島町長、大野幸孝知内町長と各市町議会議長、経済団体、一次産業団体の代表ら14人で訪問。道8区選出の前田一男衆院議員(自民党)が同行した。

 要請書は渡島11市町の首長、議長ほか計68団体の連名。「自公両党の政権合意で『可能な限り原発を減らす』としていることを踏まえると、あえて大間原発の建設を続行する必要がない」と指摘するとともに、原子力規制委員会が活断層調査などを進める中で、「既存原発の大部分が運転を停止している中で、新設は全く理解しがたい」と批判している。

 経済産業省では赤羽一嘉副大臣と会談。函館が大間原発から最短23`しか離れていない近さを説明し、大間から見た函館の夜景の写真を持参。工藤市長は「福島第一原発の事故が起きて以降も、一切の説明がない。改めて事故を踏まえて手続きを行い、周辺自治体の意見を聴いてほしい」と訴えた。

 一行はその後、自民・公明両党、首相官邸の順に訪ね、それぞれ浜田靖一自民党幹事長代理、加藤修一公明党総合エネルギー政策委員長、世耕弘成内閣官房副長官らに要請書を手渡した。

 工藤市長は首相官邸訪問後、函館新聞の取材にに対し、「国民の理解を得て電源構成のベストミックスを確立するのであれば、その間は凍結すべきと申し上げた。しばらくは原子力規制委の動きを注視したい」と述べた。

提供 - 函館新聞社


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