旧国鉄戸井線の遺構「アーチ橋」解体工事本格化

update 2013/2/5 10:12


 戦時中に建設された旧国鉄戸井線の遺構で、函館市瀬田来町のアーチ橋「蓬内橋」(よもぎないばし)の解体工事が本格化している。4日から橋の側壁を特殊な工具を使用して撤去する作業が始まった。地盤部分のコンクリートには、比較的大きめの石が混在していることなどが分かり、限られた物資で苦心しながら建設されたことがうかがえる。

 旧戸井線は軍事物資の輸送を目的に、五稜郭─戸井間を結ぶ単線鉄道として建設が進められたが、1941(昭和16)年に架設された同橋付近で工事が中断。同橋はコンクリート製の三連橋で、長く市道として使用されたが崩壊の恐れなどから新しい橋への架け替えが決まった。

 工事は昨年11月7日に始まり、道路部分の砂利を撤去した結果、1・3メートル程度でコンクリート層にたどり着いた。想定したよりもコンクリート層が厚いことが分かり、くりぬいた断面からはセメントの骨材として大きめの石が使用されていたことが判明。市土木部道路建設課「建設当時、手に入る限りの資材で作ったのでは」と推測する一方、解体費が当初予定より、膨らむことを懸念する。

 工事を請け負う小鹿組(湯浜町)の河口静男管理部長は「大型の重機が入れない場所でもあり、河川など周辺環境に影響がないよう配慮しながら作業を進めている。想定以上にコンクリート層が厚く、解体方法を日々考えながら進めている」と話す。

 また、同橋は鉄筋の代わりに竹が使用された可能性が指摘されており、同課は「解体の過程で竹や木材が使用されていれば、断面から分かるのでは」としている。

提供 - 函館新聞社


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