乙部八幡神社、十二支の絵馬完成

update 2013/1/8 10:16


 【乙部】乙部八幡神社(松崎胤彦(よしひこ)宮司)は、毎年干支(えと)の絵馬づくりに取り組み、この巳(み)年で12枚がそろった。神社関係者への感謝を形にと絵馬づくりを始めた先代宮司の思いが詰まったもので、氏子らは「素晴らしい仕上がりで最高だ」と喜んでいる。

 絵馬づくりは、4年前に70歳で亡くなった先代の博彦さんが2002年の午年から始めたのがきっかけ。例大祭や各種行事でお世話になる氏子らに贈呈し、生前は年の瀬になると欠かさず届けていたという。

 「立派な絵馬をすべてそろえたい」と氏子の要望に応える形で、親子2代にわたって制作と贈呈が受け継がれた。絵馬は町内の道南スギの間伐材を活用し、木目の美しさを生かしながら図案を決めて、焼き目を入れて独特の光沢が目を引く。

 先代の絵馬づくりの様子を知る小田誠さん(66)は「いつも氏子を大事にする宮司だった。『十二支がひと回りするまでお互いに元気でいなければ』と話したこともあった」と振り返る。小田さんは江差町伏木戸町で営む「めんどりラーメン」の店内にこの絵馬を飾り、丁寧に扱っている。「十二支に見守られて元気が出てくる。お客さんが興味を寄せてくれているのもうれしい」と小田さん。

 胤彦宮司(37)は「先代からの取り組みで責任を感じて毎年つくってきたので、最後となるこの巳年の絵馬を無事届けることができ、ほっとしている」と語り、「新年も氏子の皆さんと協力して神社を守り、地域の結び付きを深めていきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社


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