大間原発「悪魔と組んでも止める」

update 2012/11/15 10:03


 【東京】電源開発(東京)が大間原発(青森県大間町)の建設工事を再開したことを受け、函館市の工藤寿樹市長らは14日、都内の衆院議員会館で超党派の国会議員でつくる「原発ゼロの会」が主催する意見交換会に出席し、大間原発の問題点について話し合った。工藤市長は「悪魔を止めるためなら、別の悪魔と手を組んででも止めたい」と述べ、建設の無期限凍結を強く訴えた。

 ゼロの会との懇談は10月に続き2度目。工藤市長と高谷寿峰北斗市長、中宮安一七飯町長が招かれたほか、電源開発の担当者や原子力規制庁、資源エネルギー庁職員らが出席した。会議はインターネットで生中継された。

 工藤市長は、大間原発でプルトニウムとウランを混合したMOX燃料を全炉心で使用することに関し「商業炉として実験していないのに進められている。付近住民はモルモットではない」と批判。国際海峡に面する点や活断層の存在など数々の問題点を指摘し「到底受け入れることはできない。住民の安心、地域を守るために今後も無期限凍結を求めていく」と述べた。

 また高谷市長は「未曾有の福島原発事故を一切斟酌(しんしゃく)せず、再開を容認するのは無神経。既成事実を作り上げるとしか見ることができない」と指摘。中宮町長はテロ対策の問題を挙げ「潜水艦も航行しているかもしれない。安全策を練ってもらわなければ到底納得できない」と反発した。

 一方、電源開発は工事再開について「原子力規制委員会が来年夏にも示す新しい技術基準を反映して、安全な発電所として稼働可能と判断した」と説明。半径30キロ圏内で原発事故対策が義務づけられるUPZ(緊急防護準備区域)の範囲に函館市が入ることから「道との協議が必要」とした。

 工藤市長はその後の質疑応答で、「プルトニウムはウランより危険で、立地自治体だけの同意で足りなくなるはず。拡散シミュレーションもせずに、建設を先行するのはおかしい」と批判。電源開発は「フルMOXは日本のプルトニウム問題とリンクしている。国の政策と一致させながら進めたい」と話すにとどめた。

提供 - 函館新聞社


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