「本格工事に合わせ提訴」、工藤市長が言及
update 2012/10/2 10:50
大間原発建設工事の再開は、函館市など道南の自治体から意見を聴くことなく発表された。市や周辺自治体は「私たちが全く無視された形は到底納得できない」と猛反発し、改めて無期限凍結を求める構え。工藤寿樹市長は会談後の会見で、市が原告となっての工事差し止め訴訟に言及、来春と目される建設工事の本格化に合わせて提訴する考えを示した。
午後1時半に設けられた電源開発の説明は、市議会会派民主・市民ネットが建設に反対する横断幕を掲げて待ち受け、反対する市民団体のシュプレヒコールが響く、異様な雰囲気の中で行われた。
渡部肇史常務は「福島の事故を踏まえ、安全強化対策を運転開始まで確実に実施したい」と、平板な説明にとどまった。工藤市長はこれに対し、「建設再開を決めてから責任ある立場の人が来ることは大変遺憾」と批判した上で、@福島の事故を踏まえればさらに原発を造る理由はないA使用済み核燃料の処理体制が整っておらず、大間でも20年しか保管できないB市がUPZ(緊急時防護準備区域)圏内に入るのに、説明会が一切行われていないC国際海峡である津軽海峡での安全対策の有無―など、具体例を挙げて反論した。
渡部常務からの明確な回答はなく、説明会の開催も「歴史的経緯の中で、市当局を通じて(情報提供したい)と思う」と拒否した。
工藤市長は同社の対応を「(再開を)ただ言いにきたつもりでいる。私どもの意見も斟酌(しんしゃく)した中で判断すべき問題」と批判、不快感をあらわにする。
同市長は市民団体による建設工事差し止め訴訟の弁護団と接触。地方自治体として市民の安心・安全を守る「人格権」を主眼に、市が提訴する場合の根拠を模索している。「安全か否かだけでは裁判所も判断しがたい。(福島の事故)以前の工事そのものが始まる時期に合わせるように、検討を急ぎたい」としている。
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