「鮨処ひろ季」のおかみ、緋田さん「酒匠」取得

update 2012/6/30 11:11


 函館市本町26のすし店「鮨処ひろ季」(緋田広樹代表)のおかみ、緋田(あけた)和美さんがこのほど、3年前に取得した「唎酒師(ききさけし)」の上位資格にあたる「酒匠(さかしょう)」を取得した。日本酒、焼酎、泡盛のテイスティング専門家は函館でただ一人といい、緋田さんは「受かってホッとしている。仕事に生かしたい」と喜んでいる。

 試験は「NPO法人料飲専門家団体連合会」(東京)が毎年3月に東京で実施。酒匠は酒の色や香りを元に原料や銘柄などを見極めることができるとして、「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会」が認定している。同連合会によると、全国で229人、本道では12人が資格を持っているという。

 仕事に役立てようと2009年に唎酒師を取得した緋田さんは、さらに腕を磨こうと受験を決意。銘柄の異なる日本酒や焼酎をそれぞれグラスに注いで何度も練習を重ねたほか、全国の蔵元を訪ね、製法や醸造について学んだ。特にこの半年間は仕事の休憩中や店の閉店後にグラスと向き合ったり、香りが苦手だった焼酎にも積極的に取り組んだりしてきたという。

 今年の試験は3月28日に行われ、1次の筆記以外は最終の5次まで全てテイスティングの実技。酒の特長を的確な言葉で表現しているかや、塾酒、薫酒など4種類ある日本酒の違い、種類別の酒の共通点などが問われた。緋田さんは「練習の成果を発揮できた」と振り返る。

 しかし、焼酎の原料のほか、酒が劣化した要因などを当てる4次を落とした。それでも全体的に高得点だったため再試験のチャンスが与えられ、5月下旬、見事合格した。

 「鮨処ひろ季」は夫の広樹さんとで2003年開業。それ以前は酒が苦手だったが、常連客と向き合う中で知識やテイスティングの必要性を痛感してきたという。

 酒匠の資格を得たことで、日本酒の古酒を増やすなど品ぞろえを増やすことができる。緋田さんは「甘い、辛いなど日本酒は比較対象が多いほど味が楽しめるというもの。どんどん古酒の種類を増やしたい」と笑顔で話す。今後は今年9月に開かれる「世界唎酒師コンクール」にも挑戦する予定だ。

提供 - 函館新聞社


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