震災がれき「考える会」が発足 広域処理の危険性指摘 市民や避難者ら50人参加

update 2012/4/15 14:11


 東日本大震災で発生したがれきの処理や受け入れについて考える勉強会「道南がれき問題を考える会」が14日、函館市内で発足した。設立に向けた学習会には医療関係者や子育て中の父母、被災地からの避難者ら約50人が参加し、震災がれきの広域処理の危険性や問題点をめぐって活発に意見を交わした。

 震災がれきの受け入れについて、道南での情報共有や議論の場を設けようと、市内の医師長谷川昭一さん(55)らが呼びかけ人となって設立。冒頭、長谷川さんは放射性物質の安全基準やがれきの処理方法について「明確な根拠がなく、焼却処分では汚染物質の除去はできない」と指摘した。

 会合で福島市から函館に避難している鈴木明広さん(52)は内部被ばくの危険性に言及し「どこまでも放射能に追いかけられる。もう体には1ベクレルも入れたくない」と強調。「被災地をみんなで応援するためにがれきを拡散するのであれば、福島に住んでくださいと言いたい」と述べ、集中処理や被災者の受け入れ支援の必要性を訴えた。

 また、岩手県奥州市から胆振管内洞爺湖町に避難している遠藤司さん(44)は震災後に身体の不調が続いていることを報告。この日は道南で受け入れに前向きな考えを示している太平洋セメント上磯工場(北斗市谷好)も視察し、「市街地に近く、煙突も短い。自分のこととして捉えてもらたい」と力を込めた。

 このほか、参加者からは「広域処理以外に方法はないのか」「政治的な圧力や利権が絡んでいるのでは」との声も。道南への避難者からは「現地のがれきは復興の妨げにはなっていない」「被災地への支援は人を受け入れ、汚染されていない地域を守ること」などの意見が上がった。会では今後、市民参加の勉強会や受け入れ反対の要請行動などを行う方針。

提供 - 函館新聞社


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