インドカレー専門店「シタール」が来月20日閉店、30年の歴史に幕
update 2011/8/27 12:53
函館市梁川町22で本格派のインドカレーを提供するカレー専門店「カレーレストラン シタール」(鈴木登代表)が、集客減のため来月20日で閉店する。函館のインドカレーの草分け的存在として匠の味を提供し続け今年で30年。鈴木さん(62)は「感謝の思いしかない。老舗として、最後まで精いっぱいお客さんに尽くしたい」と話している。
鈴木さんは函館出身。名古屋の専門学校を卒業後、22歳で東京の観光企業に就職。10年後に料理人になろうと決意し、東京・銀座のインド料理専門店「ナイルレストラン」に入り、インド人から1年間、カレーの手ほどきを受けた。
鈴木さんによると、1980年代の本道にはインドカレーを提供する店がなかったという。「故郷で開業すれば他店との差別化ができる」と81年9月、函館市内の旧西武百貨店にオープン。8年前の同店閉店に伴い、現在地へ移転した。
同店の「インド風カレー」は、みじん切りにして炒めたタマネギの甘みやコクが絶妙の一品。81年の開業当初から幅広い世代がその味を求めた。百貨店内の集客効果で固定客をつかみ、店舗移転後も本町・五稜郭町のサラリーマンらを中心に好評を得てきた。
しかし数年前からそうした常連客が減少した。近隣のビルに空き店舗が目立ち始めた昨年は特に顕著で、これまでの昼食時には多い日で30人訪れたが、今年は10人を切るように。「コンビニエンスストアで食事を済ませたり、外食を控えたりと食生活の変化は否めないし、リピーターも高齢になればどうしてもお客さんは少なくなる」と鈴木さん。今年に入って閉店を決断した。
そうした中でも、毎週通う人を含め10〜70代のリピーターは約50人いる。味や価格、店の雰囲気などサービス全般に関するアンケート調査に労をいとわなかった結果だ。
鈴木さんは「お客さんに喜んでもらうには生の声を反映させなければ。試行錯誤の日々だったが、そうした苦労がなければ30年も続けられなかった」と感慨深げに振り返り、「時代にはあらがえないが、最後の一日までおいしいカレーを作りたい」と意気込んでいる。
ランチは正午〜午後2時半、ディナーは同6時〜10時。不定休。問い合わせは同店電話0138・54・8712。
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