町会の港祭りにも少子高齢化影響

update 2011/7/29 10:43


 子どもが集まらない−。8月上旬、函館市内の多くの町会が独自で開く港祭りに少子高齢化の影響が出ている。「時代の流れにさからえない」と中止に踏み切る町会も一部で見られるが、大半は「楽しみにしている人が多いから」と行事を続ける予定だ。

 高盛町会(佐藤福明会長)は今年、町会創立翌年の1963年から毎年続けてきた港祭りの中止を決めた。費用約40〜50万円は町会員や企業などの寄付金で賄い、赤字にはならないものの、ここ数年の子どもの参加者は5人ほど。「頑張って準備してもお年寄りばかり。子どもが集まらないようでは楽しくないし、やりがいもない」(佐藤会長)。

 同町会によると、近隣の日乃出、宇賀浦の両町会も何年か前から夏祭りはやめているという。7月の高盛町会の役員会議でも中止に異論は出なかった。既に町内世帯に周知しているが、佐藤会長は町内の企業や、今年も夏祭りを実施予定という堀川町会にもあいさつに出向いた。

 佐藤会長は「毎年万単位の寄付を寄せてくれた企業もあるし、うちに来ていた子どもは堀川町に流れるだろうからね。あいさつをしてすっきりしたけど、中止はやっぱり残念。来年以降も難しいだろう」と言葉少な。 こうした中、多くの町会関係者は「毎年楽しみにしている人を裏切ることはできない」として中止はしない考えだ。

 若松町会の本間信太郎会長は「(町会の)一大イベントだけに近隣町会からも来てくれる人が多い。少子高齢化も切実な問題だけど、中止は考えられない」。旭町会の四辻陸紀会長も「周辺で港祭りを開く町会が少ないせいか、旭町の祭りに人が流れてくる」と明かし「今年も準備は着々と進んでいる。どれだけ集まるか分からないが、大いに盛り上がりたい」としている。

 子どもは集まっても、祭り会場として使える十分なスペースがない町会も。

 大川町会(新谷則会長)は、会場だった敷地が民間に売却された影響で約5年前から大々的な港祭りを断念。以降は町会館前の市道を通行止めにして飲食物の出店などを構える。新谷会長は「子どもにも気軽に楽しんでもらっているが、港祭りで出していた立派なやぐらは物置にしまったままで、これはこれで寂しいね」と話している。

提供 - 函館新聞社


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