岩手の被災親子が北斗の特養へ

update 2011/3/27 10:45


東日本大震災で被災した人たちの道内への避難が進む中、北斗市追分121の特別養護老人ホーム「つれづれの郷」(小松格一理事長)は26日、市街地が壊滅した岩手県大槌町の親子を受け入れた。親族を頼り、同施設に到着した2人は「これほどありがたいことはない」と安堵(あんど)の表情。小松理事長は「緊急事態の超法規的な措置なので全力で支えたい」と協力を惜しまない考え。

 同施設を訪れたのは柴田トモ子さん(72)と長男の幸喜さん(43)。函館に住むトモ子さんの長女(48)が幸喜さんから相談を受け、介護を要する母の受け入れ先を探していたところ、北斗市から紹介を受けた。

 小松理事長によると、20日以降、介護を要する被災者の受け入れ態勢について道から照会があった。24日には北斗市からも連絡を受けたという。通常は、トモ子さんのように車いすが必要であるなど要介護者のみの受け入れだが、「長年世話をしてきた幸喜さんが離れれば、トモ子さんも精神的につらいだろうから」と事情を語る。

 激しい揺れやまちをのみ込む大津波に加え、山火事も相次いだという大槌町。住居を失い、幸喜さんは車いすを押して高台の公民館など町内の避難所を転々としながら2週間、生活を続けた。

 衛星電話で姉との連絡が通じたのは22日。2人の身を案じていた姉夫婦も受け入れ先の確保に奔走し、25日に大槌町を目指して函館を出発。26日朝、トモ子さん、幸喜さんをレンタカーに乗せて帰路に就いた。函館には午後3時ごろ、特急列車で到着した。

 暖かいベッドで小松理事長の問診を受けるトモ子さんは「津波もそうだけど、火事もおっかなかった」と振り返りながら「こうして北海道で親切にしてもらってありがたいね」と笑顔を見せる。幸喜さんも「感謝してもし尽くせないほど。これで母も安心です」と胸をなで下ろした。

提供 - 函館新聞社


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