歴風文化賞に「阿さ利本店」「物史証邸」「大村俊博邸」「函館山ロープウェイ」
update 2010/2/10 14:29
函館の歴史的風土を守る会(落合治彦会長)は9日、2009年度の「歴風文化賞」を発表した。保存建造物には「阿さ利本店(あさりほんてん)」(函館市宝来町10の11)と「物史証(ものふみ あかし)邸」(同栄町11の15)、再生保存建築物には「大村俊博(おおむら としひろ)邸」(北斗市本町66)、原風景には「函館山ロープウェイ」(函館市)の4件が選ばれた。表彰式は19日午後6時半から、函館市末広町の五島軒本店で開かれる。
同賞は函館市内・近郊の歴史ある建造物などを後世に残そうと、1984年に創設され、今回が27回目。建造物の貴重性、持ち主の保存に対する努力、景観への寄与などを選考基準に同会会員が審議し決定した。
阿さ利本店は34(昭和9)年に木造2階建ての店舗兼住宅として建てられた純和風の建築物。すき焼きと精肉の老舗の同店は、明治中期に青森県野辺地に建てられた別荘を移築。軸組に明治期のヒノキが使われ、現在も建物の狂いはほとんどない。市街地にありながら創建時の姿で大切に保存されていて、昭和初期の函館の店舗兼住宅の歴史を知る上で貴重な建物。
物史証邸は36(昭和11)年に木造平屋の専用住宅として建築。外壁と玄関脇の応接間は洋風、他の6室は和室となっている。外壁はドイツ壁と呼ばれるモルタル仕上げで重厚な雰囲気。和室は欄間、床の間などが美しい姿をとどめ、四季折々に移り変わる中庭の景色を窓越しに楽しむことができる。明治中期に立てられた住宅に付属する瓦ぶきの蔵は、3回の大火に耐えて現在にその姿を伝える。
大村俊博邸は34(昭和9)年に木造2階の住宅として建てられた純和風の建築物。2008年から09年にかけ外観、室内を創建当時の姿のままによみがえらせ、後世に伝える忠実な再現が行われた。下見板張りと漆喰(しっくい)塗りの外壁、細部の意匠などがしっかりと再生され、室内も居間と茶の間を囲む1枚ものの太いカツラの梁(はり)や欄間、建具、囲炉裏などから懐かしい雰囲気が漂っている。
函館山の山ろくと山頂駅を結ぶ函館山ロープウェイは、1958(昭和33)年、31人乗りのゴンドラにより運転開始。半世紀以上にわたり函館山の四季折々の景色と一体になったロープウェイの姿は多くの人々に親しまれてきた。現在は125人乗りのゴンドラから多くの市民、観光客が3分間の空中散歩を楽しみ、美しい景色と夜景を堪能している。
提供 - 函館新聞社
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