学ぶ楽しさ 地域ではぐくむ 元教師有志が「寺子屋」開設

update 2010/9/24 10:15

 函館市内・近郊に住む元教員12人が、子どもを対象としたボランティアの学習支援組織「寺子屋ききょう」を立ち上げ、週1回、同市桔梗1の宝皇寺で開いている。児童たちは計算問題が早くなるなどの効果が表れ、一緒に遊べる地域のまなびやへの愛着も芽生えている。関係者は「こうした取り組みがもっと広がれば」と張り切っている。

 勉強を理解する喜びや学ぶ楽しさを体験してもらおうと、今年5月に開設した。宝皇寺敷地内のフリースペースを借り、毎週水曜日の午後2時半から約2時間実施。現在は函館桔梗小の児童30人が登録している。

 子どもたちはランドセル姿のまま続々と来館。テーブルに宿題を広げ「『うかんむり』ってどう書くの」「この引き算はどう解くの」と支援員に尋ね、一緒に考える。互いに教え合ったり、競い合って学ぶ姿も。支援員が一方的に教えるのではなく、子どもが分からない場面で応じるのが特長だ。

 中心メンバーの多田真理子さん(62)は「勉強を強制したくはない。子どもが個々に質問し、思い思いに勉強できる空間を目指している」と紹介。「自分たちも子どもとともに学ぶ意識で活動している。学力向上は結果として付いてくればいい」と話す。

 友達と一緒に学ぶ5年生の花田育君(10)は「ここで宿題や問題集をやると楽しいしはかどる」と意欲的に学習。勉強が終われば集団でじゃんけんゲームをしたり、紙飛行機で遊んだりして盛り上がる。「そうした遊びもあるから、毎週多くの子がやって来る」(多田さん)という。

 函館市は現在、中島、深堀両町の児童館で寺子屋事業を試行しているが、「民間での寺子屋は、市内では聞いたことがない」(市子ども未来室)という。

 多田さんは「活動は模索中だが、対象の拡大も視野に入れている」とし、「自由に勉強できる場はまだまだ必要なのでは。こうした取り組みが増えたらうれしい」と期待している。

 「寺子屋ききょう」の問い合わせは多田さんTEL0138-65-7430。

提供 - 函館新聞社




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