函館学で「箱館八景扇面図」解説
市内8高等教育機関で構成するキャンパス・コンソーシアム函館の合同公開講座「函館学2009」の第3回「箱館八景扇面図 考」が11日、函館国際ホテルで開かれた。約320人が参加。講師の山形周文さん(山形法律事務所事務局長)が、幕末の函館の様子を記した貴重な資料について詳しく解説した。
函館市中央図書館が所蔵する箱館八景扇面図は、今から約155年前に作られた。駒ケ岳、立待岬、函館山など八カ所について、8人の作者が詠んだ「七言絶句」の漢詩と墨絵の風景画を両面に配した扇を、はがして裏打ちし上下二段に並べて一本の掛け軸に表装したもの。
山形さんは、駒ケ岳の夕暮れの雪景色を詠んだ「駒嶽暮雪」の作者である堀織部(1818−1860)にスポットを当てた。江戸に生まれた堀は、優秀な成績で幕府官吏となり、嘉永6(1854)年に箱館奉行に任ぜられた。「駒嶽暮雪」は箱館奉行時代に詠まれたもので、大自然の美しさを絶妙に表現しながら遠い故郷を思う気持ちも垣間見える。山形さんは「堀は蝦夷地の開拓に力を注いだ偉大な存在だったが、切腹自殺による悲劇的な最期を遂げている。謎の多い彼の自殺の真相についても掘り下げていきたい」と話した。
提供 - 函館新聞社
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