「翔民劇団・ななえ」旗揚げ

【七飯】七飯町民有志らがこのほど、新しい演劇活動グループ「翔民劇団・ななえ」(山下堅一会長)を立ち上げた。町民の手作りにこだわり、20年間にわたって続けてきた「七飯町民劇場」の活動中止を惜しんだ関係者らが企画し、手探りで準備を進めてきた。3月14、15の両日には七飯町文化センター(本町6)で旗揚げ公演となるオリジナルミュージカルを予定しており、メンバーの練習にも熱が入っている。

 七飯町民劇場は1990年の初演以降、世代を超えた町民による舞台を重ねてきたが、スタッフの高齢化や後継者不足などを理由に昨年3月の公演を最後とした。

 新劇団の立ち上げは、町民劇場の最終公演に初参加した町内で代理店業を営む東宏道さん(35)が「世代を超えた交流の場、文化の街の象徴的イベントとしてなくしてはいけない」と感じたのがきっかけ。約7年間町民劇場に参加し、同じ思いを抱いていた山下会長に提案し、2人が中心となって賛同者を集めた。

 脚本は町内在住のミュージシャンMAcCs(マックス)さんに、演出は劇団函館創芸の演出を担当する高間猛さん(43)にそれぞれ依頼し、昨年6月ごろからけいこを始めた。東さんは「役者経験者はいてもスタッフ業務や事務的段取りはほとんど初めてで苦労した」と振り返る。

 作品名は「ななえ・べじたる・ふぁくとりぃ・ミックスジュース!」。七飯町を愛する男性が地元や子どもたちのためにミックスジュースを考案するがトラブル続いてしまい…というストーリーで、家族や故郷の大切さを訴える内容だ。

 本番まで1カ月を切った現在、メンバーは熱心に練習に励んでいる。初舞台となる函館中の沢小4年の松浦百香さん(10)は「演技は難しいけど楽しい。皆を楽しませたい」と話し、町内在住の主婦で、町民劇場に5年間携わった本間麗子さん(70)も「町民劇場の灯を絶やしたくないという思いで参加した。子どもが生き生きとした様子を見て、観客にも元気が伝われば」と意気込む。高間さんは「地域に元気と活力を与える舞台にしたい」と説明する。

 東さんは「七飯に限らずいろいろな場所から参加でき、孫子の代まで続く活動にしたい」と期待を寄せている。

 公演は14日午後6時半、15日午後1時半。入場料は前売り大人500円、小、中学、高校生300円(当日は各200円増)。幼児無料。同センターや大中山コモンなどで取り扱っている。問い合わせは山下会長TEL0138・65・5444。

update 2009/2/21 10:56
提供 - 函館新聞社


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