故佐藤泰志の小説映画化へ 制作実行委が正式発足
函館出身の作家、故佐藤泰志(享年41)の代表作「海炭市叙景」の映画化を目指す市民有志の制作実行委員会が13日、正式発足した。実行委員長に就いた市民映画館「シネマアイリス」の菅原和博代表(52)は「佐藤泰志の作品に触れる機会を定期的に作りたい」と意気込みを語った。4月4日に監督を発表し、その後は目標額を1000万円に設定して資金集めを始めることなどを決めた。
映画化構想は作品集の出版など、近年佐藤泰志の作品世界に再び光が当たる中、菅原委員長が発案。佐藤泰志の函館西高時代の同期生で、「はこだてルネサンスの会」事務局長の西堀滋樹さん(58)をはじめ、関係者らに呼び掛けた。
この日はメンバー20人余が参加。菅原委員長はこれまでの経緯を語り、「20年前の作品だが現代に通じる内容。衰退する地方都市に暮らし、どこか希望を失わずに生きる人が描かれ、(映画化は)いろいろな意味で意義があるのでは」と熱い思いを語った。
参加者は役割分担などを決めた後、市民の気運を盛り上げるため、今後関係者を招いた講演会や定期的な朗読会、テレビやラジオを巻き込んだ広報活動を展開することを確認した。総制作費は2000万円を見込み、この半分の1000万円を募金活動で賄うことを目標とし、個人や各種団体などに協力を呼び掛けることにした。
事務局長の西堀さんは「不景気な函館だからこそ明るいものを目指したい。1人1人が窓口となり大きな動きを作りたい」と話していた。
映画化に関する問い合わせは菅原代表(アイリス内、午後1―4時、TEL0138・31・6761)、佐藤泰志に関しては西堀さん(弥生小内、TEL同23・5285)。
提供 - 函館新聞社
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