木古内町国保病院、3月末までに2医師退職

 【木古内】木古内町本町708の木古内町国保病院(松谷茂幸院長)の医師8人のうち、2人が3月末までに退職することが23日分かった。小児科と内科の医師で、現状のまま推移すると、4月からは小児科の診療ができなくなり、内科も医師4人から3人体制になるなど、医療サービスの低下が危惧(きぐ)される。医師不足は病院そのものの存続にかかわる深刻な問題で、2010年5月オープン予定で進められている「新・木古内町国保病院」の計画にも大きな影響を与えそうだ。

 この日の町議会総務・経済常任委員会(吉田忠義委員長)で、同病院の地本隆利事務長が報告した。地本事務長は非常に重要な問題と前置きした上で、「3月末までに(医師の)退職者が2人出る。もう1人か2人の(退職の)可能性もある。それは春先か、春以降になるかもしれない」と発言した。同病院によると、3月末までに退職する2医師の理由は「家庭や一身上の都合」だという。

 同病院から議会側への報告はこの日が初めてで、議会側は「慰留も含めて検討しなければならない」「正確な情報把握が必要」と緊急に対応策を練ることを決定。27日午前11時から役場で大森伊佐緒町長と松谷院長、議員の3者間で協議することになった。

 同病院の診療は内科、外科など9科目。渡島西部地域の救急医療の拠点として位置づけられている。

 この日の常任委は町民3人が傍聴していた。医師が退職するという突然の公表に、町民からは「まさか、本当か」「うわぁ…」と戸惑いの声が漏れた。

 同病院は築36年で建物の老朽化が激しく、現在位置の南西側に、4階建てで延べ床面積約7500平方メートルの新病院の移転改築工事が行われている。20日から土壌の整備が始まり、2月にはくい打ちなどの本格工事が始まる。

 新年度以降も医師の退職が懸念される中、地本事務長は函館新聞社の取材に対し、「会議(常任委)での発言は憶測から述べたもので、(春以降に)必ず退職する医師が出るという根拠はない。そういう危機感を持って経営に力を入れたいと思っている」とした。

 小林敏明副町長は「退職を申し出た2人の医師の考えを尊重することが大切だが、われわれ町民としては、これまで通り、地域に根ざした医療活動を熱望したい」としている。

update 2009/1/24 12:22
提供 - 函館新聞社


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