開港150周年 飛躍に期待

 函館市は今年、長崎と横浜とともに海外に門戸を開いて150周年の節目の年を迎えた。昨年は「開港150周年プレイヤー」と位置付けられ、「開港5都市oト(めん)フェスタ」をはじめとする各種イベントが展開された。今年は7月1日の開港記念日に市芸術ホールで記念式典、8月には「緑の島」で9日間にわたり、「食・音楽・スポーツ」をキーワードにしたメーン事業を開催する予定。記念の年を新たな飛躍を期す契機にしようと、市民の機運も高まっている。

 1859(安政6)年6月2日(新暦で7月1日)、函館(当時は箱館)は開港した。米・蘭・露・英・仏との修好通商を定めた「安政の5カ国条例」の発効による開港だ。以来、函館の歴史は開港による西洋文化の移入を抜きに語れない。異国情緒漂う教会群や寺院が立ち並ぶ元町地区にはわが国初のロシア領事館が置かれたほか、現在も残る旧イギリス領事館に代表される条例加盟各国の領事館が開設された。

 函館の持つ国際色や多様な文化が、年間500万人近い観光客を引き付ける大きな魅力にもなっている。

 開港150周年記念事業の基本理念に沿って実施する連携(冠)事業は、開催済みと今後予定するイベントを含めて52件が認定され、官民一体となった協力体制が確立されつつある。函館開港150周年記念事業実行委員会(会長・西尾正範市長)では、市民ボランティアによるワーキンググループがアイデアを持ち寄って活発な議論を重ねており、プランニングチームのリーダー沢口拓希さん(36)は「高い意識の人が多く、どういった事業になるか期待が大きい」と話す。

 具体的な内容は1月中に決まる見通し。スポンサー企業の協力をいかに得るかもポイントとなっている。

 昨年開かれた「開港5都市oトフェスタ」で、函館は文献などを頼りに、日本最古のラーメンとされる「南京そば」を復刻して出品した。訪れた市民に大好評で、すでに本州の百貨店から物産展への引き合いもあり、開港150周年の“PR大使”として活躍しそうだ。

 西尾市長は「これまでの歴史の重みを再認識する機会とともに、未来に向けた新たな出発点と位置付けたい」し、「国際色豊かな海のまち・函館を全国に発信できるよう、市民団体と一体になって市民、観光客がともに楽しめるイベントをつくり上げたい」と意欲を見せている。

update 2009/1/7 12:59
提供 - 函館新聞社


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