サラキ岬に「風車型休憩所」設置へ

update 2008/2/22 15:29

 【木古内】幕末から明治初頭に輸送船などとして活躍した「咸臨丸(かんりんまる)」が座礁、沈没したとされる木古内町サラキ岬の広場の一角(国道228号沿い)に5月にも、民間団体などの手で「風車型休憩所」が設置されることになった。同岬は毎年春、一帯に約5万株のチューリップが咲くことでも知られ、昨年は約1万人の来場者を記録した「サラキ岬チューリップフェア」も同月に行われる。チューリップにマッチした風車型の休憩所が完成すれば、新名所としてさらに人気が高まりそうだ。

 町内の有志が集い、咸臨丸をまちおこしに生かそうと活動する民間団体「咸臨丸とサラキ岬に夢みる会」(久保義則会長、会員550人)が手掛ける。同会は「美しい花でまちを明るく」と、咸臨丸が造船されたオランダにちなみチューリップを植え、草刈りなど年間を通じて手入れに励んでいる。

 休憩所については、道内の地域活性化を目指す団体などに助成金を拠出する太陽北海道地域づくり財団(札幌)の社会福祉貢献事業にも応募。同会は昨年も同財団の同事業対象に採択され、5月のチューリップフェアに合わせて、「咸臨丸が眠るサラキ岬」と書かれた看板(地上7・5メートル)を設置した。

 この設置費用は同財団から100万円、町民有志らから50万円を募った。さらに、広場中央には町内外の有志の手によって咸臨丸の木製のモニュメントも置いた。

 本年度の助成対象事業の最終発表は3月上旬の予定だが、同会は看板設置後も継続した活動が高い評価を得ていることなどから、2年連続で対象に選ばれる可能性が高いとみている。同時に昨年同様、有志の協力も求め、設置を実現させる考えだ。費用は150万円から200万円程度を見込んでいる。

 休憩所の設計は、元町建設水道課長で会員の東出文雄さん(木古内観光協会長)が担当。高さ約7メートル、幅約4メートル。風車自体は回らない予定だが、黄色い模様で愛らしくデザイン。展望室も備え、その下には雨などをしのぐベンチを置くという。

 同会の多田賢淳事務局長は「雪が解けるころチューリップも咲き始める。美しい景色をゆっくり楽しめる休憩所の設置は、会員はもちろん町内外の多くの人に喜んでもらえるはず」と話している。

 同会は活動に賛同するボランティアを募集している。問い合わせは事務局(町観光協会内) TEL01392・2・2046。

提供 - 函館新聞社



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