イオンに計画中止要請…函館市
update 2007/12/29 19:50
函館市は28日、同市西桔梗町に大型店開発計画を持つイオン(本社・千葉市)に対し、経済界とともに計画中止を求める要請活動を実施したことを明らかにした。27日に山本真也都市建設部長らがイオン北海道(札幌)を訪れ、同社の三宅篤北海道開発部長に要請文書を手渡した。市は昨年秋から、同社に出店計画の取り下げを口頭で申し入れるなどしているが、文書での要請は初めて。郊外型の大型店出店を規制する改正まちづくり3法が11月末に施行されたことを踏まえ、市の反対姿勢を改めて明確にした。
同社は、西桔梗町の市街化調整区域約11万5000平方メートルに大型ショッピングセンターの開発計画を持ち、2001年に立地の可否について事前審査を申請した。当時、市の開発審査会は開発許可の立地基準に該当すると回答したが現在、計画予定地の土地取得は一部で進んでいない。
今回の要請は同3法の全面施行を受けたもので、山本部長、函館商工会議所の古川雅章専務理事、函館市商店街振興組合連合会の渡辺良三理事長らが同社を訪れた。
市は「開発計画の申し出から6年が経過し、社会経済情勢も大きく変化した。大規模集客施設の市域郊外での立地は、コンパクトなまちづくり推進に影響が大きい」と要請。経済界は高野洋蔵会頭、渡辺理事長連名で「超大型店出店は商店街を死の危機に追い込み、地域コミュニティーの崩壊につながりかねない」とし、ともに開発計画の早急な中止を求めた。
同社は「要請の趣旨は理解した。本社にも連絡をする」と返答したが、出店に向けて土地取得などの動きは継続する考えを示した。
今回の活動について、古川専務理事は「3法施行もあり、以前とは状況が違う。郊外の大型店は、市街地への影響が大きいということを地域の声として、機会あるごとに要請していきたい」とし、山本部長は「市の姿勢に変わりはない。今後もイオンの動向を注視していく」としている。
大型店をめぐる最近の動きでは、昨年8月に同会議所など経済界が市と市議会に対し、大型店出店計画凍結を求める陳情を行い、市議会はことし3月に採択。北斗市、七飯町も函館と歩調を合わせており、大規模集客施設の出店に反対する動きがある。一方で、市街化区域内では8月末にオープンした港町のショッピングセンターや、戸倉町では複合型商業施設計画が進められている。
提供 - 函館新聞社
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